キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

不自由がない

昨日、メガネの替え時として「不自由を感じたら」、という話をしました。

これについて、少し補足しておきます。

「不自由がない」のであれば、「度の合っていないメガネ」を掛けつづけても問題はないのか、という疑問が出てくると思います。
無論、度が合っているほうが、視機能の保護の観点からは好ましいとは思います。

ですが、こんなケースはどうでしょう。

6~7年前にあつらえた近用鏡をご使用のお客様がいたとします。
特に不自由はないけれど、だいぶ年数も経っているし、もし度が変わっているのなら買い替えてもいいかな、ということで検査をしました。

現在眼鏡度数
右 S+2.50
左 S+3.50

読書距離を考慮した推奨度数
右 S+3.75
左 S+4.00

となったとします。

当然、近くの文字の見やすさは実感できますので、これで新調したとしたらどうなるか。
もちろん、これでうまくおさまれば、それに越したことはないのですが、現在眼鏡で不自由がない理由を考えていくと・・・

納品数日後、「近くは見えるけれど、テレビが全く見えない」という訴えがくる可能性がゼロではありません。

このかたは、ここしばらくは右眼で多少離れたところが見えていて、左眼で近くのものを見ていたわけです。
それが、左右のバランスを取ってしまったために、両眼とも近くの文字が見えるようになってしまい、今まで右眼で見えていたものがボケてしまうということです。

両眼視の観点から言えば、両眼のバランスを取ったほうがいいとは思います。
ですが、これまで不自由を感じていなかった人に、そんな理屈は通りません。
これまで見えていたものが見えないのですから。

そもそも、度数を決める段階(装用テスト)で、こういう状況になることは想定できますが、近くの見やすさに意識がいってしまうと、ふだんの生活シーンが抜けてしまうということはあるでしょう。
「実際に使ってみて気がついた」というパターンです。

仮に、装用テストの段階で気がつけば、遠近両用なり、中近両用なりをおすすめするという選択肢も出てきますが、「不自由がない」というかたには、かえって使いにくい場合もあると思います。

「不自由がない」=「主訴がない」状況では、おすすめしてもうまくいかない場合が少なくないということです。


一方、「不自由がない」と思っていても、適切な度数を装着することで「今まで気がつかなかった不自由さに気がついた」ということもあるとは思います。
たとえば、両眼視を考慮することで、立体感が得やすくなったとか、読書中に行を飛ばすことがなくなった、といったことはあり得ます。
あるいは、片眼の矯正視力が大きく低下していた、という気づきが得られることもあるかもしれません。
その場合、眼疾患の可能性は否定できないわけです。

自覚的な主訴はなかったけれど、検査をしていく上で「主訴の掘り起し」になった、といってもいいかと思います。


ですので、「不自由がない」からといって「度数をチェックする必要がない」と申し上げているのではないという点、誤解のないようにお願いします。
「不自由がないので新調しない」というのと、「度数が変わっていることはわかったけれど、特に不自由はないので、今回は新調しない」というのとでは、ちょっと意味合いが違うと思います。



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