キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

複式フレームにて

今年の初夏、ある眼科さんから「遠見と近見とでプリズム量の異なる処方のお客様に貴店をご紹介しましたので、よろしくお願いします」というご連絡をいただきました。

ご持参された処方箋を拝見しますと、遠用度数にはプリズムあり、近用度数にはプリズムなし、となっていました。

使用目的をおうかがいした結果、遠用鏡をひとまずお作りいただきました。
近見時は、今まで使っているプリズムなしの累進レンズ(度数は処方箋度数とは異なります)があるので、それを使うということでした。


で、このたび、この処方箋の遠用度数をベースにした累進レンズを試してみたいとのご要望をいただきました。

この場合の最大の問題点は、「遠用にプリズムあり、近用にプリズムなし」という点です。
遠用と近用とでプリズム量を変えることができる累進レンズを私は知りません。
(ご存知のかたがいらしたら、教えていただければ幸いです。)

今回のケースでは、遠用のプリズムに合わせれば、近用には不要なプリズムが付加されてしまうことになります。
かといって、近用に合わせてプリズムなしにすれば、遠見で複視が生じます。
そもそも、遠見の複視を解消するためのプリズム処方なので、プリズムを抜くわけにはいきません。

遠用と近用とでプリズム量が異なる場合、遠用単焦点と近用単焦点を上下半分にわけて組み込む「フランクリンタイプ」という手もありますが、「累進レンズ希望」という大前提があるので、それは候補になりません。

累進レンズの遠用部分にフレネルプリズムを貼るという手はアリですが、膜によって運転時の視力が少なからず低下するのは避けたいところです。

ということで、初回ご来店時にご紹介していた「複式跳ね上げフレーム」を使うことにしました。

1612131.jpg

跳ね上げる側に、度なしのプリズムを入れることで、遠見はプリズム入りの累進として

1612132.jpg

跳ね上げたときに、プリズムなしの累進として近見ができるように

1612134.jpg

ということです。

さて、上の画像を見ると、跳ね上げる側のレンズコバが、随分とリムより前にはみ出しています。
お世辞にも見た目が良いとは言えないかもしれませんが、リムより後ろにレンズがはみ出るような組み方をしてしまうと、
跳ね上げていないときに後ろの累進レンズに、コバが干渉してしまうことになります。

強度マイナスレンズでたまに見られる、「コバの斜めカット」は、正面視時の印象がイマイチなので、私は好きではありません。
お客様にその辺の事情を説明した上で、後ろのレンズに干渉しないような対処をしたということです。

1612135.jpg
1612133.jpg

ちなみに、プリズム量は、2△B.U.&4△B.O.と、2△B.D.&4△B.O.です。

レンズを4枚使っていますが、玉型サイズが40ミリと小さめですので、プラスチックレンズ使用での重量は、

1612141.jpg

まぁ、こんなものでしょう。


納品時のご感想としては、跳ね上げた瞬間にプリズムが無くなることによって生じる違和感のようなものがあるものの、しばらく使ってみますとのことでした。

実際のところ、プリズム付加でも短時間の近見は可能なご様子ですが、長時間の近見に耐え得るかどうかは、実際にいろいろなシーンで使ってみないと、判断はできないと思います。
そこら辺のことは、随時フォローできればと考えています。



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