キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

度数を上げれば上げるほど

前にも話題にしていますが、繰り返します。

たとえば、普通自動車運転免許の更新必要な0.7の視力に到達しないようなとき、「更新ができればいいから、とにかく度数を上げられるだけ上げてほしい」と言われることがあります。

つまり、度数を強くすればするほど視力が向上するとおもわれているわけですが、残念ながら、完全矯正値を超える度数を付加しても、完全矯正値にて得られる視力を上回ることはできません。


未矯正の遠視眼が調節をしていない場合、焦点は網膜より後ろに合うために、ぼやけます。

ensi no accomm

凸レンズを付加することで、網膜より後ろに合っていた焦点を網膜上に持ってきます。
完全矯正の状態です。

plas.jpg

ここからさらに度数を強くする(より強い凸レンズを付加する)と、焦点は網膜より手前に合うことになるので、ぼやけます。
「完全矯正値を超えて度数を強くすれば、視力がよりよくなる」という仮説は成り立ちません。


未矯正の近視の場合、網膜よりも手前に焦点が合います。
(完全矯正値を超えて、強い凸レンズを付加したのと同等のイメージです)

kussetu.jpg

凹レンズを付加することで、網膜より手前に合っていた焦点を網膜上に持ってきます。
完全矯正の状態です。

mainasu.jpg

ここからさらに度数を強くする(より強い凹レンズを付加する)と、焦点は網膜よりうしろに合うことになるので、ぼやけます。
未矯正の遠視眼と同じイメージです。

rousi.jpg

ただ、この場合、水晶体を膨らませる、いわゆる「調節」をすることで

Accom_20161010205654a12.jpg

網膜上に焦点を合わせることは可能です。

ですが、これは網膜上に焦点を合わせただけのことなので、完全矯正値で得られた視力を上回ることにはなりません。

また、より強い凹レンズを付加することで調節力の限界を超えてしまえば、焦点を網膜上に合わせることはできないのでぼやけます。
両眼視下の場合は、調節と輻湊の相互関係が働くために、見ているものの位置と視線とのミスマッチが起こり、ぼやけたり複視になったりすることもあります。


とってもかいつまんで説明していますが、いずれの場合も、度数を強くすればするほど視力が向上するということにはなりません。





関連記事
  1. 2016/10/10(月) 23:47:28|
  2. 視機能・視覚・検査など
  3. | コメント:0

コメント

<%template_post\comment>


管理者にだけ表示を許可する

FC2Ad