キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

商人の子供

私は一心堂の創業者の子供として生まれました。

当時は、今のような大型店やチェーン店が乱立している時代ではなく、いわゆる「個人商店」がまだまだ多くありました。
私と同じ学年だけでも、クリーニング店・石材会社・布団店・ケーキ店・焼き鳥店・牛乳店・手巻き寿司店・そろばん塾・米穀店・不動産店などなどの子供がいました。

彼ら(私も含めて)は「○○屋の息子・娘」といった見方を地域の人たちからされるのが宿命であり、当然、「この子の親は○○だ」ということも地域の人はわかるわけです。


幼稚園時代の話。

母が風邪で寝込んでおり、「イチゴを買ってきてほしい」と言われたので、駅ビル内のスーパー「小田急オーエックス」までお使いに行ったときのこと。
この店に一人で買い物に来たのは初めてでしたが、「カゴに欲しいものを入れて、レジに並んで、お金を払って、ビニールに買ったものを入れて持ち帰る」という一連の流れは、母の買い物によくついていっていたので知っていました。

が、カゴ(↓こういうの)が、

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高く積まれていて、手が届かず取れませんでした。

イチゴは見つけたものの、カゴがないし、どうやってレジに持っていったらいいんだろうと悩んだ私は、持参していた手提げ袋に入れていけばいいんだと思い、手提げ袋にイチゴパックを入れようとしました。

すると、いきなり知らないおばさんが「あらあらダメよ」みたいなことを言いながら近づいてきて、イチゴパックを持ち、私の手を引いてレジに並ばせました。
「ちゃんとここでお金払って」みたいなことも言われた気がします。

私にしてみれば、「カゴがないから手提げに入れてレジに持っていこうとしただけなのに、何でこの人はお金を払えとか当たり前のことを言うんだろう」、そんな気になったのですが、とにかく会計を済ませて帰宅しました。
スーパーから家までは、2分くらいです。

帰宅すると、母に「ダメよ、お金払わなきゃ」と言われました。

つまり、帰宅するまでのわずかな時間内に、さきのおばさんが私の店に来店されたか電話をされたか、とにかく「おたくの子供がイチゴを万引きしようとしていたので、私がレジに連れて行ってお金を払わせた」といった主旨のことを父に伝え、それが母に伝わったということです。

確かに誤解されても仕方ない行為だったとは思いますが、幼稚園児にしてみれば「なんで怒られないといけないんだろう」と思ったものです。


小学2年生の時の話。

補助輪なしで自転車に乗れるようになった頃、友達の家の前の道路で自転車を漕いでいると、私の自転車の荷台に友達がまたがろうとしてきました。
2人乗りをしてはいけないことは知っていましたし、まだ上手に自転車のコントロールができなかった私は、「やめてよ、降りてよ」と拒否をしたのですが、友達はしつこくつきまとってきます。
よろよろとしながら道路の真ん中に出てきたところ、向こうから自動車がやってきました。

自動車もスピードを出していたわけではありませんし、私はよろよろと道路を横断をして、何事もなく済んだのですが、帰宅すると父に叱られ、「これが守れないのなら自転車に乗ってはいけません」ということで、何ヶ条かの約束事を書いた紙を渡されました。

「二人乗りをしたのではなくて、断ったのに、やめてくれなかったんだ」と言いたかったですが、口答えなどしようものなら大変なことになりますので、黙って叱られました。

これも、自動車を運転していた人が「お前んとこのセガレが二人乗りしてたぞ。危ねぇじゃねえか」みたいな主旨のことを父に伝えたのでしょう。


この他にも、公園で一緒に遊んでいた友達がスナック菓子を分けてくれたので食べていたら、帰宅後、母に「行儀の悪いことをして」と叱られたり、まぁとにかく律儀にご注進してくださる人があちこちにいたわけです。

で、子供心に「自分が何かやらかすと、親や店(当時は社員さんが何人かいましたので)に迷惑がかかる」ということを学びました。
それが抑止力になったかどうかはわかりませんが、盗んだバイクで走りだしたり、校舎の窓ガラスを壊してまわったりして警察の厄介になるようなことはなく成人しました。


外面をよくしないといけないというのは、正直、窮屈に感じることもありました。
ですが、逆に、親や店のことで、周りからバカにされて肩身の狭い思いをすることはありませんでした。
これは、親や社員さんたちがきちんとした仕事をしてきてくださったおかげです。

私の息子は、私と同じ運命を背負わされています。
息子がどのように感じるかはわかりませんが、私の不始末で息子が辛い思いをすることがないよう、責任を持って仕事をしていきたいと思います。




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