で、とりいそぎ、矯正視力を測ってみると、1.0が見える。
といったことは、たまにあります。
すなわち、検診時との視力に差があるということです。
そうしますと、「あの時、体調悪かったのかな~」といった話になるのですが、ご本人の体調要因以外にも、考えられる原因は幾つかあります。
当店での視力表は、眼前5mに設置していますが、検診では卓上型覗き込み式を使うケースが少なくありません。
深視力計でもそうですが、この「覗き込み式」との相性が悪いかたが少なからずおられます。
当店では、「勘でもいいので、何となくでも切れ目がわかれば答えてください」という案内をしています。
お客様が視標をじーっと見ながら、切れ目の方向を見極めているときは、答えを待ちます。
検診では、次から次へと視標を出されたり、見極める時間をあまり設けてくれないかもしれません。
覗き込み式での検査において考えられるのが、意識的・無意識的に累進レンズの近用部分で視標を見てしまっている可能性。
意識的というのは「近くのものを見るのだから」という勘違いによるもの。
無意識的というのは、視線の使いかたがよくなかったり、フレームが型崩れしていたり、といったもの。
視標サイズは遠方視の設定ですから、近用度数でみたのでは視力が低下するのは当然です。
他にも理由はあるかと思いますが、そういったわけで、検診時と視力が同じでないということは、測定環境が同じではない以上、起こり得ます。
こういうかたが来られた場合、矯正度数と装用眼鏡度数にほとんど差がなければ、「フレームに飽きたわけでもなく、ふだん不自由もないのなら、そのまま使っていてもよいのではないですか」とお伝えをすることになります。
無論、検診で眼科領域の検査項目が視力測定のみであったならば、念のため眼科受診しておくのはよいことだと思います。
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