キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

レンズメーター間での誤差

過日、レンズメーカーから送られてくるレンズの度数には、規格範囲内の誤差があることが多いというネタをアップしました。

こういう度数でオーダーしても、

1607251.jpg

こんな度数で届くことがあるわけです。

1607255.jpg

この度数は、レンズメーターの測定精度を「0.01D」刻みにしたときの数値です。

これを「0.25D」刻みで表示すると、こうなります。

1607254.jpg

これなら、オーダーした度数と同じですから、当店では「誤差があるけれど、OK」としています。

ですが、もし、「0.01D」強い度数だとすると、

1607252.jpg

「0.25D」刻みの表示では、

1607253.jpg

一段階強い度数になるので、この場合は「アウト」です。
原則として、メーカーに再作を依頼することになります。

が、ここで、ひとつ疑問が湧いてきます。

レンズメーカーは、出荷の際に、当然、度数の検品をしています。
そのときに、なぜ引っかからなかったのか、ということです。

これが、先日の記事の中で、「レンズメーカーに、誤差ゼロで仕上げてほしい、という注文を出しても、それは難しい」と述べ他ことに関連してきます。

その理由として、「測定環境によって生じる誤差」が挙げられます。

たとえば、同じレンズでも、測定するレンズメーターによって誤差が生じることはあり得るのです。

すなわち、メーカーの検品値と、当店の測定値とで誤差があったとして、検品時のデータ通りならOKでも、当店測定値ではアウトになってしまうケースがあるということです。


以前、当店のレンズメーターがおかしいのかと思い、実験をしたことがありました。

注文度数 S-7.50 C-0.50 のレンズですが、当店レンズメーターでは(球面値のみに着目)、-7.63Dなので、0.25D刻みの表示だと、S-7.75Dで「アウト」となります。
メーカーの検品値は、S-7.60Dくらいだったと思います。

これを、当店レンズメーターのメーカーに送って測ってもらったところ、当店のレンズメーターと同じS-7.63Dが出たとのことでした。

次に、別のレンズメーターのメーカーに送り、もう少し踏み込んで調べてもらいました。

レンズメーターで、度数を測定するために使用されるLEDには、赤系の光源と、緑系の光源があります。
この光源の色によって、微妙な誤差が生じることがあります。

当店のレンズメーターは緑系の光源です。

先方でも、緑系光源のメーターで測ってみると、

egreen.jpg

となりました。
当店の測定値と同じです。

赤系光源のメーターで測ってみると、

ered.jpg

0.01D弱めに出ました。
(この度数なら、「OK」なわけです。)

もう一つ、別の方法で調べてみます。

20世紀末に、レンズメーターやその他の光学機器の基準波長が、e線に統一されました。
それまで、レンズメーターは、e線とd線の2つの基準波長があったのです。
難しいことは置いておいて、

赤系光源のe線で測ったのが先ほどの、こちら。

ered.jpg

これを、赤系光源のd線で測ると、

dred.jpg

0.06D弱めになります。
(補足、アッベ数はe線・d線および、緑系光源ともに、32に設定して測定しています)


ですから、レンズメーターの基準波長や、光源の色が異なれば、それだけで誤差が生じるということです。

仮に、全く同じ仕様であっても、機械物である以上、正直、誤差はあると思います。

また、経験上、室内の明るさというか、光の反射の仕方(レンズメーター測定部への光の侵入程度)も、影響を与えることがあるようです。

私自身は、誤差が生じることは、当たり前だと思っています。
問題なのは、その誤差が、たとえ0.01Dであっても、0.25D刻みで表示させると、1段階違ってしまうケースがあるということ。

これについてのエピソードは、また後日。








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