キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

レンズ度数の誤差

メガネレンズの度数は「ジオプトリー(D)」という単位で表すことは何度も述べています。
そして、通常、度数を測定する際や、レンズを注文する際は、「0.25D」刻みで増減させることも述べています。

つまり、正視の度数は「0.00D」。
一段階の近視であれば、S-0.25D
二段階の遠視であれば、S+050D
ということです。

では、たとえば、「S-7.05D」といった度数は、あり得ないのか、というとそんなことはありません。
この辺の話は、以前中間度数というネタで触れていますが、仮に「S-1.00D」で注文したとして、納品される度数が真に「S-1.00D」であるとは限りません。

JIS規格で許容されている誤差の範囲であれば、出荷されてきます。

この度数で注文しても、

1607222.jpg

納品されてくるのは、

1607221.jpg

だったりしますし、

この度数で注文しても

1607229.jpg

こんな度数で

1607228.jpg

納品されてきたりします。

上図は、レンズメーターの測定単位を「0.01D」刻みにした場合の表示ですが、いずれも「誤差の範囲」であり、レンズメーターの測定単位を「0.25D」刻みにすれば、注文した度数で表示されます。

当店では、この程度の誤差(つまり当店のレンズメーターで、「0.25D」刻みで測定した時に、注文した度数で表示されるのであれば)については許容しています。
というか、許容せざるを得ません。

逆に、「誤差ゼロで仕上げてほしい」とメーカーに注文を付けても、それは非常に難しいです。
(これについては、別の機会に触れることにします)

とはいうものの、問題点もあります。

たとえば、左右共に

S-4.00D

のメガネを掛けている人の度数が厳密には、

R: S-4.11D
L: S-3.89D

だったとします。

この人が、「同じ度数で」別のメガネを注文した時、

R: S-3.88D
L: S-4.10D

こういう誤差のレンズをこの組み合わせで作製し、お客様が微妙な誤差を感じ取れる人であると、「前のメガネに比べて右眼が見えにくい」「何かおかしい」と言われてしまう可能性がゼロではないということです。
(左右が逆であれば、よかったわけです)

ですから、特に他店購入のメガネと「同じ度数で」と言われて作る場合は、このあたりも注意しておかないと、「同じ度数なのに、前の店のほうが見やすい」と判断される憂き目に遭うリスクが上がります。
まぁ、極めて稀なこととは思いますが。


また、乱視なしのレンズを注文しても、

1607223.jpg

「誤差の範囲」で乱視が入ることは珍しくありません。

1907223.jpg

ですので、完全矯正値がわかっていて、乱視があるのに何らかの理由があって乱視抜きで調製する場合には、完全矯正値の乱視軸に合わせて加工するのが安全なわけです。

ですが、このようにハーフ染色のレンズで、

1607226.jpg

乱視軸を合わせると、こんな風になってしまうのなら、

1607227.jpg

それでは納品できませんから、見た目を優先した加工をするしかないでしょう。


念のため、申し添えますが、前述のように、この誤差は規格として「認められているもの」であり、実用上も、普通は問題にならないものです。
ここでは、あえて、非常に細かい話をしているだけのことです。


そうすると、「度数を検査するためのレンズにも誤差があるのではないか」という話になりますが、

1607225.jpg

テストレンズの精度はかなり高いので、

1607224.jpg

その点はご安心ください。




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  1. 2016/07/22(金) 23:35:43|
  2. メガネ・フレーム・レンズなど
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