キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

モノビジョン

先日、白内障手術に伴う眼内レンズ装着の話の中で「モノビジョン」というのが出てきました。
ここについて、もう少し解説をしたいのですが、まず一般的な(?)「モノビジョン」について触れておきたいと思います。

モノビジョンというのは、たとえば、右眼で遠くがはっきり見え、左眼で40cmがはっきり見える、といったように、各眼が別々の役割を果たしている状態と考えてください。

以下の話は、単眼の矯正視力は左右ともに良好(1.0とか1.5が見える)であるという条件で進めていきます。


まず、完全矯正値が
Rv=(1.5 × S-0.00D)
Lv=(1.5 × S-2.50D)
のようなケース。

遠見について、裸眼で右眼はばっちりですが、左眼は0.1以下になります。
近見について、たとえば裸眼で40cmのものを見る場合、右眼は2.5Dの調節が必要ですが、左眼は調節なしで見ることができます(理論上のざっくりとした考えかたです)。
遠くは右眼、近くは左眼と使い分けをしていることになります。

このかたが、いわゆる老眼世代になったとき、遠くも近くも裸眼で不自由を感じることは少ないかもしれません。
もちろん、パソコンモニターが60cmにある場合は見にくいでしょうし、両眼明視が得られにくいので、
車の運転(大型免許等の取得含む)や球技など、立体感を要求される場合はディスアドバンテージにはなると思いますが、ご本人が不自由を感じていなければ、それでいいわけです。

いわば、天然のモノビジョンといえましょう。


もう一つのパターンは、完全矯正値が
R:S-2.50D
L:S-6.50D
のようなケース。

左右での度数差が大きい状態です。
レンズの厚みが左右で大きく異なります。

1603141.jpg

このような場合、裸眼ではどちらの眼でも遠見がボケまくりですから、眼鏡矯正が必要になりますが、この度数差の大きなメガネを掛けると違和感が強くてダメ、ということがあります。
(コンタクトレンズのほうが違和感が少ないこともありますが、その辺の話は割愛します)

もちろん、全く問題なく掛けられることもありますが、ダメだというときには、左の度数を落とすことが多いです。

たとえば、右眼はそのまま完全矯正値にて、左眼は2.50D弱めに、すなわち

R:S-2.50D
L:S-4.00D

こんな度数で眼鏡矯正をすると、

R:0.00D
L:S-2.50D

と同じ状態になりますので、右眼で遠く・左眼で近くという、上述の状態になります。
両眼視を放棄させることになりますが、それでお客様が快適だとおっしゃるのなら、アリでしょう。
モノビジョンでうまくいくケースです。
(左右の度数差が大きい場合、「左右の度数差は2D以上にしない」みたいなポリシーのもとに、短絡的に強度数側を低矯正にしてしまうのは、どうかと思います。)


さて、上の2つのパターン、どちらも「ある日突然」そういう度数になったわけではありません。

下のパターンでしたら、たとえば、最初は完全矯正値が

Rv=(1.2 × S-2.00D)
Lv=(1.2 × S-2.00D)

だとして、その完全矯正値でのメガネを掛けていたのだけれど、

だんだん左の近視が進行していき、

R:S-2.00D
L:S-3.00D

こんなふうになっても、右眼で遠くが見えるので、まぁいいかという感じで過ごしていた。

そのうち、こうなり、

R:S-2.00D
L:S-4.00D

最終的に右眼の見えにくさが気になり、眼鏡店なり眼科なりで調べてみたら、

Rv=(1.2 × S-2.50D)
Lv=(1.2 × S-6.50D)

こんな完全矯正値になっていた、という流れがあっても不思議ではありません。
(これは極端な例でしょうが)


要するに、いきなりではなく、徐々に片眼が見えにくくなっていったため、両眼視下での視力のアンバランス感にも慣れやすいということです。
逆に言うと、アンバランスが日常なので、ここから急に両眼の視力を同等にしてしまうと違和感が出る可能性があるわけです。

しかし、白内障で眼内レンズを入れた結果、モノビジョンになるというのは、徐々の変化ではなく、突然の変化です。
そのため、問題になることがあります。

そのあたりを、次の機会に。





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