キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

慣れますか?

下記の相談がありました。

「遠くがよく見える度数にすると、見ているものが傾いて見えてしまって掛けられない。
乱視が強いからだと言われ、いつも度の弱いメガネにしている。
できるだけ遠くがよく見えるようにしたいのだが、高価なレンズにすれば見えかたは改善するのか。
(買う予定があるわけではなく、教えてもらえればそれでよい)」

乱視度数に適応できないのなら、高価なレンズ(当店だと両面非球面レンズ)にしたところで改善しないと思いますが、調べもしないで無責任なことは言えませんので、お調べしました。

現在使用眼鏡(数日前に購入)
R:S-2.25 C-0 25 AX13
L:S-1.00 C-0.75 AX179

当店での5m完全矯正値
RV=(1.2 X S-2.25 C-0.50 AX22)
LV=(1.0 X S-0.50 C-2.50 AX178)

遠見に関しては上記完全矯正値でクリアーに見えるとのこと。
これに
R:2△B.I.
L:1.5△B.I.
を付加することで、より見やすくなるという返答を得ました。

遠見のみであれば、それほど強い違和感を訴えられていないような気がしましたが、近見がダメでした。
いわく「水平線が斜めに傾いて見える」。

つまり、これが、
ixy_20160228_01.jpg

こんなふうに見えるということです。

ixy_20160228_02.jpg

(あくまでもイメージです。見えかたを忠実に再現しているわけではありません。)

この見えかたは、右眼の乱視度数や軸をいじっても大きな変化はなく、左眼の乱視度数を弱くしていくことで改善されていくとのことですが、結果として左眼の矯正視力が右眼に比べて低下するため、何となくバランスが悪い見えかたになります。
そうすると「できるだけ遠くがよく見えるようにしたい」という意向に添えなくなるわけです。

つまり、乱視度数(左右の度数差を含む)に適応できていないのが原因と思われ、高価なレンズにしても改善は期待しにくいのではないかとお伝えしました。
(テストレンズは球面設計なので、両面非球面での見えかたを体験していただくことはできません)

(斜めに見える度数でも)「掛けていれば慣れますか?」と聞かれましたが、「はい、慣れます」とは言えません。
使用環境(常用するのか・しないのか、近くを見るときは使わないのか等)によっても異なるでしょうし、個人差もありますし、最終的に慣れたとしてもどれくらいの期間を要するのかは予測できません。

「これくらいなら何とか掛けられそう」というところまで度数を上げて、それに慣れたら、また度数を上げるというやりかたはアリかと思いますが、慣れる保証はありませんし、その都度レンズ代が生じるのか、無料で何度でも交換してくれるのかはお店によって異なりますので、その辺は買われたお店でご相談されてみては、とお伝えをして終わりました。


今回の例に限らず「慣れますか?」と聞かれることは少なくないのですが、これは本当に個人差がありすぎて、何とも言えないというのが正直なところです。

違和感を最小限にしようとすれば「鮮明さ」が犠牲になりますし、逆も然りです。
「掛けられないですよ」「無理ですよ」と、試しもせずに弱め弱めの度数決定にしていくのは、ある意味、無難な方法でしょうが、「そんなことでいいのか?」という思いは常にあるわけで、「落としどころ」をどの辺にするかというのは、お客様とよく相談して決める必要があり、正解は1つとは言えません。

また、テストレンズではOKでも、できたメガネを掛けたら何かおかしいということもありまして、無責任に聞こえるかもしれませんが、「やってみなけりゃわからない」という側面があるのは紛れもない事実なのであります。


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