キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

近視が減った場合の処方度数 その2

先日、近視が減った場合の度数決定に関する話をしました。

今回は、その続きといいますか、遠近累進レンズを調製する場合に起こりがちなケースについてです。

たとえば、左右共に下記のような度数で、5年くらい遠近累進レンズを使っていたかたがいたとします。

S-1.00D ADD2.00D

このかたが、「近くが見にくい」ということで、今使っているフレームを生かしてレンズを替えたい、ということでご来店されたとします。

度数測定の結果、左右共に下記の度数で調製するのがいいのでは、ということになりました。

S-0.25D ADD2.00D

(5年経っていれば、加入度が増えてもおかしくないと思いますが、ここでは加入度は同じとします)

この度数を、今まで使っていたフレームに、今までと同じレンズ、同じアイポイント位置で組み込んだとして、さて、どうなるか。


遠近累進レンズというのは、真正面で遠方視ができ、下方視をすることで近見ができるという設計になっています。
正面視の状態から、視線を下げていくことで、近視の度数が弱くなっていく(マイナス度数がプラス度数の方向へ変化していく)ということです。

このかたに、当初の予定通りの度数(S-0.25D ADD2.00D)でメガネを作るとすると、度数分布のイメージは下記の通りになります。

1512184.jpg

この結果、どういう反応が返ってくると、近くのものは見やすいと言われると思いますが、「遠くが見えにくい」と言われる可能性もあるということです。

試しに遠用度数のみで遠見をしてもらうと、見えにくさを訴えられなかったとします。
すなわち、累進だと見えにくいというパターンです。

どうしてそうなるか。

旧眼鏡(S-1.00 ADD2.00)の度数分布イメージを下記のように考えます。

1512183.jpg

このかたの現在の度数は、S-0.25D ADD2.00Dです。
つまり、多少視線を下げたところに、S-0.25Dが来ます。
正面視時のS-1.00Dから、ちょっと視線を下げたS-0.25Dのエリアでは、遠見が可能ということになります 

ということは、今まで使っていたメガネは、こんな感じの見えかたになっていたはずなのです。

1512185.jpg

ところが、今回新調したレンズでは、こうなります。

1512186.jpg

視線を下げると、遠くのものはボケ始めてしまうということです。


今までの見えかたが、こうだとしたら、

1512181.jpg

新しい度数だと、こんな感じになるということです。
(銅像の土台にはめ込まれた文字が、ボケています)

1512182.jpg

つまり「遠くのものが見えにくい」というか、「遠くのものがボケる範囲が広くなったように感じる」ということです。
「なんか、遠くがスッキリしないな」という感覚ですね。

ただ、このかたは元々「近くが見えにくい」ということで来店されているわけで、近くの見えかたの改善感はあるわけです。
ここのあたりを踏まえて、最終的にどういう調製をするかというのは、お客様によく説明をして、決定をする必要があります。

他店さんからの乗り換えのお客様に、そこのあたりの説明を怠ると、たとえば「時間をかけて測ったわりに、遠くが見えにくい。前の店は5分で検査が終わったのに、遠くはよく見えた」などといった具合に、デメリットばかりが印象に残って、窮地に陥る可能性があるということです。





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