キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

近視が減った場合の処方度数決定

以前、加齢に伴って遠視化してくることがある、という話をしました。

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近視であれば、近視が減っていくということです。

まぁ、加齢に伴わなくても、近視が減ることはあり得るわけですが、
たとえば、
「最近、遠くが見にくい気がする。何となく眼が疲れるようにも感じる」
といった主訴で来店されたかたがいたとします。

現在使用眼鏡の度数は
左右ともS-3.00D、
このときの矯正視力が0.9だとしましょう。

自店で屈折検査をしたところ、
左右とも完全矯正値S-2.25Dにて、矯正視力1.5が得られた、
なんていうことは珍しくありません。
近視の度数は必要以上に強くなると、眼精疲労の原因になるだけでなく、矯正視力の低下を招くこともあります。


では、たとえば
「今のメガネの見えかたには不自由ないけれど、買ってから結構経つので新しいメガネが欲しい。運転時に遠くがはっきり見えないと困る」
ということで、念のため検査をしてみたという場合を考えてみます。

現在使用眼鏡の度数は
左右ともS-2.00D
矯正視力は1.2

屈折検査をしたところ、
完全矯正値は左右ともS-1.50D
矯正視力は1.2
両眼視機能にも特に問題はナシ
だったとしましょう。

このとき、新しく作るメガネの度数をS-1.50Dにしてよいか、ということです。
一般論としては、今までのメガネは無駄に度数が強かったことになりますから、今回の完全矯正値を尊重することは間違っていないと思います。

ですが、理論と実践は必ずしも合致しないことがありまして、このかたに完全矯正値でおつくりすると、
「何となく、遠くがすっきり見えない」という反応が返ってくる可能性があります。

屈折検査は、わが国では5mが一般的です。
が、何十mも先を見る場合には、5mでの完全矯正値よりも、ほんの少しだけ(近視が)強い度数のほうが見やすいことはあるわけです。

このかたは、5mの完全矯正値よりも2段階強い度数で遠見をされてきたので、5mの完全矯正値(≒5m先がよく見える度数)では、物足りなさが残ってしまうという理屈です。

5mでの完全矯正値のほうが、遠くの見えかたの物足りなさはあっても、手元が何となく見やすい、といったメリットが得られれば妥協することもできるかもしれませんが、手元の見やすさも変わらなければ「運転時を重要視するメガネ」としては、不満点だけしか残りません。

なので、あえて1段階強い度数、つまりS-1.75Dでつくるということは、お客様が見やすいとおっしゃるのであれば、このケースに関してはアリだと考えます。
(S-2.00Dでつくることは、さすがにお勧めはしません。)

ただ、完全矯正値よりも強め、いわゆる「過矯正」でつくるということについては、十分に説明をしておく必要はあると思います。
他店で、あるいは眼科でチェックをされた時に「過矯正のメガネをつくるメガネ屋」という烙印を押されたり、お客様に当店への不信感を抱かれるようなコメントをされることは避けたいところです。


近視の度数が弱くなった場合、こうしたイレギュラー的な対応が生じることがあります。
累進レンズの場合にも、考慮すべき点が出てきますが、それについては別の機会に。


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  1. 2015/12/02(水) 23:20:48|
  2. 視機能・視覚・検査など
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