キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

学校の授業で重要な入力系…両眼視

学校の授業で重要な入力系。
今回は「両眼視」についてです。

両眼視というのは、「両眼を同時に使って物を見る」ということですが、そのメリットしては、

・視野の拡大・・・右眼だけですと左側方の視野は得られません。逆も然りです。
・より正確な立体視・物体サイズの判定・・・片眼視では、ある程度の遠近感はわかっても、立体感はわかりにくいです。
・視力の向上・・・片眼ずつの視力は0.9だとしても、両眼で測ると1.0になることは珍しくありません

などが挙げられます。

ちなみに、「1つのものが2つに見える」という「複視」も「両眼を同時に使って物を見ている=両眼視ができている状態」になりますので、もう少し誤解のないようにいうならば、ここで重要となるのは「両眼単一視」とすべきかもしれません。
「右眼と左眼で同時に見ているものを、一つのものとしてとらえる」ということになります。

さらにいえば、1つのものとしてとらえたものを「はっきりと鮮明に見る」という「両眼単一明視」が理想的ですが、
これは屈折異常が絡んできたりもしますので、ここでは「両眼単一視」までとしておきます。

当店のホームページでも触れていますので、細かいことは省略しますが、「両眼視」はできても「両眼単一視」ができなければ、上述のように「複視」が生じてしまいかねず、非常に煩わしいです。
しかし、複視の場合は、たとえば「一本の鉛筆が2本に見える」といったような訴えがあれば、周りの人も眼がおかしいことに気が付くと思います。

また、両眼単一視が苦手な場合、複視は生じなくても、「近くのものを見ていると疲れる」とか「目や頭が痛くなる」といった不具合を訴えるケースもあります。
こちらのほうが、厄介かもしれません。

「目が痛い」「頭が痛い」といった訴えで、すぐに両眼視系の不具合の可能性に気づけばいいのですが、そううまくいかないことも少なくないようです。
たとえば、「頭が痛い」ということで、脳のMRIを撮ったりいろいろ調べたけれど原因が見つからなかったということで、「頭が痛いと言って本を読まないのは、単に本を読みたくないための言い訳にすぎない」と判断されてしまっては、どうにもならないわけです。

両眼単一視ができないということは、視線の維持が大変なこともありますので、教科書を読んでいるときに行を飛ばしてしまったりするリスクが高くなります。

遠近感・立体感がつかみにくい原因にもなりますので、球技が苦手、たとえば野球をやっていてフライが取れない・バットにボールが当たらないといった可能性もあります。

両眼単一視ができているかというのは、たとえば「生理的複視」の自覚があるかどうかといったことで確認は可能です。
それについては、こちらから。

両眼単一視が苦手かどうか(苦手かもしれないかどうか)というのは、両眼を寄せることができるかどうかで、推測が可能です。

細かい手順は割愛しますが、この状態から

real Fixation

このように両眼を寄せることができるかということです。

NPC.jpg

ちなみに、これくらい両眼を寄せると、ものすごく「両眼を使っている」感じがしますし、疲れます。

両眼単一視が苦手だけれど頑張っている人(両眼を内側に寄せるのが苦手だけれど、頑張って寄せている人)というのは、絶えずその感覚に付きまとわれているのだと理解していただければと思います。
そんな疲れる状態で、上手に教科書は読めないでしょう。


なお、片眼を失明している場合は両眼視には縁がありませんし、恒常的に斜視がある場合も両眼視(複視も含めて)ができないことはあります。
この場合、両眼単一視によって得られるメリットを享受することはできませんが、無理やりに両眼単一視を強いられることがなければ、それに付随する不具合は生じません。
デメリットはありますが、両眼単一視ができなくて四苦八苦するよりはベターな場合があるかもしれません。
以前ご紹介したように、あえて両眼視を放棄させるケースもありますので・・・

屈折異常がなく視力は良好、視野や色覚は正常で、調節機能も特に問題なし。
だけれども、両眼単一視ができなくてとっても苦労する、ということは十分にあり得ます。
ところが、両眼視の精度を学校の検診で把握するのは現状では困難です。

メガネやトレーニングで改善できることも多いですので、周りの人の「気づき」が大切なところかと思います。



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  1. 2015/09/11(金) 21:15:54|
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