キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

5m

視力検査や屈折検査は、わが国では5mの距離で行なうのが一般的です。
(アメリカでは20フィート≒6mです。)

当店の検査室も、幅は狭いながらも5mの検査距離を確保しています。

1504251.jpg

では、5mで屈折検査をしたときに得られた度数が±0.00Dだったととして、その人の真の度数が±0.00Dかというと、理論上はそうはなりません。

屈折度数(D)というのは、焦点距離(m)の逆数で表されるものですから、5メートルに焦点が合っている状態というのは、1/5=0.2ということで、-0.2Dの近視状態ということになります。
5mでの屈折度数が±0.00Dの人は、実務上は正視として扱われるけれども、本当は、ごくごく弱い近視なわけです。

言い換えますと、5mの検査距離で得られる度数は、近視眼なら0.2D分だけ弱めに、遠視眼なら0.2D分だけ強めになるということです。


とはいうものの、通常は(少なくとも私は)、このことはあまり考慮していません。
が、特に、遠視眼の度数決定時には要注意です。

前述のように、遠視度数は強めに測定されてしまうので、5mで測定した度数で5mのものはOKでも、10m・20m先の景色はボケてしまうということが起こり得るからです。

たとえば、大型免許の更新が心配でメガネを作ることにされたトラックドライバーのかたの5m完全矯正値が、左右ともにS+1.00Dの遠視だったとして、それでメガネを作ってしまうと、免許の更新はできたけれど運転中に何となく標識が見にくい、などと言われかねないわけです。
むしろ、S+0.75Dのほうが運転には具合がよいかもしれないということです。

このようなケースは、特に今まで裸眼で生活していて、遠見視力が良好だったかたに起こりやすいです。
弱度の遠視のかたは、自身の調節力で±0.00Dの状態を作って遠くを見ていますので、5mの完全矯正値では0.2D分の余分な凸レンズが加わることになるため、5m以遠に関してはボヤケを感じてしまうわけです。


このあたりの微調整をするためには、遠くの景色を見ていただくのが一番手っ取り早いです。

EOS_03725.jpg

店の外に出て、遠くの看板などを見てもらいながら、5mでの完全矯正値の上から-0.25Dを付加して、見え具合がよりよくなるかどうかという比較をしてもらっています。

視力表の上に「隠し窓」があって、そこから遠方が見えるようになっていればよいのですが、そうはいかないので、ご足労願っております。






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  1. 2015/04/25(土) 23:04:05|
  2. 視機能・視覚・検査など
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