キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

初めて近視のメガネをかけるとき

私たちの眼は、近くにあるものを見ようとすればするほど、ピント合わせの力を必要とします。
いわゆる「調節力」です。
今日は、それに関連したお話を。

カメラの前に+2.00Dのレンズをあてて、-2.00Dの近視のイメージを作ってみました。

EOS_03701.jpg

離れたものに比べて、近くのもののほうがピントが合っているように見えるかと思います。

度数によって変わるものですが、近視というのは、裸眼の時に、近いところのある1点ははっきり見えるものの、そこから遠くなるにつれて見えにくくなってきます。

つまり、-2.00Dの近視であれば、裸眼のときには、数メートル先はぼやけていても

EOS_03699.jpg

眼から50cm先のものは、きれいに見える(焦点が合う)ことになります。

EOS_03697.jpg

ところが、それだと眼から30cmのものは、焦点距離よりも近すぎるために、ぼやけてしまうため、

EOS_03696.jpg

「調節力」を働かせて、はっきり見えるように努めます。

EOS_03695.jpg

理論上ですが、50cmの距離から30cmまで、20cmぶんの調節力が必要になります。
別の言いかたをすると、50cmより近い物は、調節力を働かせて見るという習慣がついているわけです。


たとえば、小学2年生とか3年生くらいで、初めて近視のメガネを掛ける、なんていう場合に、その度数が-2.00D前後であることは珍しくありません。

こういう子たちが初めてメガネを掛けると、しかも、その度数が遠見完全矯正値(遠いところを鮮明に見るためのベストの度数)であれば、当然離れたものはきれいに見えます。

EOS_03698.jpg

そして、近くのものも綺麗に見える、はずなのですが・・・

この子が、30cmのものを見ようとするときには、調節力を働かせる必要があります。
この時必要な調節力は、無限遠方(ここでは5メートルとしましょう)から30cmまでの距離分です。

ところが、この子は50cmより近い距離のものを見るときに調節力を働かせる癖がついてしまっているため、無限遠方から調節力を働かせることは初体験になります。

無限遠方から30cmまでの調節力を働かせるほうが、50cmから30cmまでの調節力を働かせるよりハードなのですが、そのハードさについてこられません。

そのため、十分な調節力を発揮できないために「近くが見にくい」と感じたり、これまで使っていなかった調節力を絞り出すために「近くを見ると疲れる」と口にしたりすることになります。

老人と違って、調節力がないわけでなく、使い方がわからないだけなので、次第に慣れてくることが多いですし、調節トレーニングをすることで解消するケースもあります。

ただ、どうしても適応しにくい場合は、弱めの度数から始めることも選択肢になるかと思います。


初めての近視のメガネを掛ける場合、とかく遠くの視力ばかりに目がいってしまいがちですが、近くの見えかたにも注意を払うことが大切です。



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  1. 2014/10/07(火) 23:09:23|
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