キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

ポラテストを謳うのなら

今日は、業界関係者向けのネタです。


「そちらではポラテストは、できますか?」と聞かれたときに、当店がどのようにお答えするかについては、以前アップしました。

内容が重複しますが、大事なことなのでもう一度。

「ポラテスト」と言われたら、ドイツのハーゼ教授が提唱した理論に基づく検査法・並びにそのために必要な偏光視表(装置)を指すというのが、業界での一般的な認識です。
また、「ドイツ式両眼視機能検査」というのも「ポラテスト」と同義で使われているものと、私は認識しております。


眼鏡店のHPやブログを拝見していると、「ポラテストをやっています」「ドイツ式両眼視機能検査を取り入れています」などとうたって、その説明をしたり、テストに用いている視表(装置本体も含めて)を紹介されているページが散見されます。

しかし、中には、どう考えても「それはポラテスト(ドイツ式)と言えないだろう」と思われるものがチラホラと。

たとえば・・・

「この装置でポラテストを行ないます」と紹介しているその装置には、ポラテストに必要な視表のすべては含まれていないはずなのになぁ

といったパターンとか、

「ポラテストのための視表です」と紹介しているのが、この二つだけだったりとか。

ixy_20121218_01.jpg
ixy_20121218_02.jpg

上記の十字視表やコの字視表は確かに「ポラテスト」に含まれるものですが、その二つの視表を使って調べているのは"Associated phoria"であり、そのテストのみでは「ポラテスト」とは言えません。
他にも「時計テスト」や「立体視テスト」を紹介している例もありますが、それらの視表を単に使えばOKというのものではないのです。

つまり、ハーゼ理論に準拠せず、単純に「偏光視表を使ったテスト = ポラテスト」と、呼んでしまっているのではないかと思わざるを得ないケースが少なくないわけです。
その辺のことは、記載事項を読めば、どことなく伝わってくるものですから。

もちろん、実際にお店に出向いて聞き取り調査をしたわけではありません。
装置を改造してポラテストに必要な視表をすべて組み込んであったり、便宜上2つの視標を紹介しただけで、すべての視表が揃っている可能性もありますので、一瞥しただけで断定・批判することはできないかもしれませんが・・・


あるいは、スペースセービングチャート(たとえば眼前1メートルの距離に装置があるのに、あたかも5メートル先のものを見ているような環境を作り出す)を使っているのに「ポラテスト」と名乗られているパターンもみられます。
この類の装置は、ハーゼ理論では認められていませんから「ポラテスト」とは言えません。

もっとも、そういうことを言いだしたら、「ポラテスト」というのは、ツァイス社が商標を取っているものですので、他社製のそれに似た視表を組み込んだ装置を使っているのに「ポラテスト」と称するのも、厳密には正しくないのでしょう。
「ドイツ式両眼視機能検査」としておくのが無難なのかもしれません。

また、ハーゼ理論は、検査環境を含めて、非常に細かな条件が定義されていますので、それらをすべて忠実に再現・実践するのは難しい面もあると思います。

ですから、多くのかたは「限りなくポラテストに求められている条件に近い状態」で、検査をされてらっしゃるのだと思います。
ハード面においては、このような形にならざるを得ないのは仕方ないでしょう。


ただ、ソフト面、つまり、「ポラテスト(あるいはドイツ式)をやっている」と掲げるのであれば、少なくともハーゼ理論については、一通りの理解をしておく必要があるでしょう。

ハーゼ理論をまともに学んでもいない(もしくは、学んでいるとは思えない)のに、「ポラテストを実践しています」とか、「ドイツ式両眼視機能検査を行なっています」とアピールするのは、真に実践されている人たちに対して失礼です。
そして何よりもポラテストを希望しているユーザーを混乱させてしまうことになりかねません。

宣伝は店舗経営上の重要なファクターですが、誤解をもたれない記述をしていくことが、非常に大切であると感じています。

なお、冒頭の質問に対する当店の返答は「各種偏光視表を用いての測定は可能ですが、ポラテスト(ドイツ式両眼視機能検査)は行なっておりません」になりますので、ご承知おきください。




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  1. 2014/01/21(火) 22:40:00|
  2. 視機能・視覚・検査など
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