キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

遠視のメガネを納品するとき

今まで30年なり40年なり、ずーっと裸眼で過ごしていた人が、何らかの不具合を訴え、初めてそれなりの遠視度数の遠見用メガネ(外出したり、運転したり、遠くをはっきり見るためのメガネ)を注文され、後日お受け取りに来られた時に、たまにあるパターンをご紹介します。


当店で検査をしたときには「遠くがよく見えます」ということで注文を受けたはずなのに、納品時にお掛けいただくと「あんまりはっきり見えないんですけど・・・」と言われることがあります。

度数は記録に残したものと間違いなく、フイツティングがおかしいわけでもない・・・
では、この記録度数が間違っているのだろうか(書き写し間違えたのだろうか)と不安になる瞬間です。


このとき、何が起きているかと申しますと・・・


何度かお話ししている通り、遠視があると、本当は遠くのものはハッキリとは見えません。

こういう景色が

EOS_02113.jpg


こんな風に見えたりするはずなのです。(ボケかたは度数で変わります)

EOS_02113a.jpg


ただ、遠視のかたは、近視とは違って、ぼやけて見えるものを自分の眼の力でもってピント合わせすることが可能です。そうすれば、はっきり見えるわけです。

EOS_02113.jpg




本当だったら、こんな具合に網膜上に焦点が合わせられないはずなのに、

1304171.jpg

水晶体を膨らませることで、網膜上に焦点を合わせてしまうのです。

1304172.jpg



逆に言うと、遠視の人は、物を見ているときには絶えずこのように調節をした状態になっています。
それが、その人にとって自然な状態なのです。

こういう人が、遠視のメガネを作るとします。

度数を測定していった結果、適切な遠視の度数が見つかったのであれば、その人は自分でピント合わせをすることなく、遠くのものをはっきり見ることが可能になります。
ですので、その場で、その度数で、眼鏡を作ってお渡しすればいいのですが、当店には遠視の度数の在庫レンズはありません。

メーカーに注文をして作ってもらいますので、通常は1週間くらいかかります。
その間、お客様は裸眼で過ごすことになります。

結果として、さきに述べた通り、常にピント合わせ機能を働かせた状態で過ごし続けることになります。
それが当たり前の状態になってしまいます。

ですので、いざ納品となってメガネを掛けたとき、瞬時にピント合わせの機能をオフにする(当たり前の状態から変化する)ことが難しいのです。

遠視矯正に使われる凸レンズは、度数不要の人がそれを通して遠くを見ればぼやけて見える性質がありますから、自分でピント合わせをして、度数不要(に近い)の状態になってしまっている人が凸レンズを装用すればぼやけてしまうのです。


こういったときには、納品した度数よりも、さらに強い凸レンズをしばらく装用してもらいます。

そうすることで、凝り固まってしまっていたピント合わせの機能が徐々に解放されていきますので、ある程度の時間が経てば、納品したメガネで「遠くがはっきり見える」ようになり、めでたしめでたしとなります。
以降は、極力メガネを装用していただくことがポイントになります。

ふだん掛け慣れていない人には、なかなか掛けにくいものかと思いますが、こういう現象が起きると、メガネを掛けていないとその分だけ眼に負担がかかるということを、実体験としてわかっていただきやすいので、その後の眼鏡装用がスムースになったりします。


追伸、
このようなかたの度数測定は、ピント合わせの機能がリラックスできるように、時間をかけて行ないます。

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  1. 2013/04/17(水) 23:53:32|
  2. 視機能・視覚・検査など
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