キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

サッケード

前回、パスート(追従眼球運動)についてのお話をしました。

今回はサッケード(衝動性眼球運動)についてです。
サケード、サッカードなどと表記されることもありますが、ここではサッケードとします。

サッケードというのは素早い眼球運動です。
たとえば、通勤電車のシートに座ったら、向かいのシートに女性が3人いて、どの女性が一番自分好みか(or どの女性なら自分の勝ちか)というのを比較したくなっちゃったような場合、左の女性・真ん中の女性・右の女性へと視線をパッパッと動かす際に行なっている眼球運動がサッケードです。

大型駐車場で自分の車を探すなときには、車ごとにサケードを繰り返していることになります。

AKBのコンサートで推しメンを探すのがサッケード、推しメンをずーっと目で追いかけていくのがパスート、そんな感じでしょうかね。


見たいものに瞬時に視線を合わせることができるのは、正確なサッケードができているからこそです。
(両眼のチームワークがうまく取れているというのが大前提ではありますが)
逆に言うと、サッケードが不正確であると、生活していく上でさまざまな困難に直面することになります。

当店のホームページに記載していることですが読書を例にとってみましょう。


このような文章を読むとき、(角川文庫『ポケットジョーク』より引用)
sample_20130218190832.jpg
左から右に眼を動かしていくわけですが、このときに重要となる眼球運動はパスートではなくサッケードです。

なぜか?

私たちは文章を読むとき、(無意識的に)自分の認識できる分ずつ文章を区切っています。
normal.jpg
この区切りごとに、固視→サッケード→次の区切りを固視→サッケード→次の区切りを固視→サッケード・・・
という動きを繰り返していくのです。

ですから、区切りの数が多いほど、固視とサッケードの回数は多くなります。
ストップ&ゴーの回数が多い、いわゆる各駅停車風になりますから、読むのに時間がかかるということです。

もし、固視の回数が少ない=サッケードの回数も少ないのであれば、
faster.jpg
停車駅の少ない急行電車風になりますから、読書スピードは向上します。

「速読」をするためには、1回の固視で認識できる文字の量(Span of recognition)をいかに増やすかということと、正確なサッケードが要求されるわけです。
fastest.jpg
↑これだと、1回のサッケードで済みますね。


もしサッケードが不正確だと、
BAD.jpg
次の区切りに正確に視線を飛ばすことができないのですから、同じところを2回読んだり、行を飛ばしたりしてしまいます。

結果として、読書効率や理解は著しく低下します。

そのほかにも、探し物が苦手だったり、黒板に書かれたものを写すのが遅かったり、マークシート形式のテストが苦手だったり、などといったことも考えられるでしょう。

サッケードが苦手な場合は、その苦手な分を頭の動きで補おうとしてしまうこともありますが、正確なサッケードをするためには頭の動きは不必要なので、悪循環に陥ってしまうことになります。


不正確なサッケードは、トレーニングで改善できるケースも多いです。
ただし、パスート同様に、病気や薬の影響が背景にある場合は、そちらからのアプローチが必要になります。



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  1. 2013/02/18(月) 23:09:37|
  2. 視機能・視覚・検査など
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