キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

両眼のチームワークとパソコン作業

過日、パソコンモニターを見る場合に、眼のピント合わせが必要である旨の記事を記しました。
では、ピント合わせがうまくできれば、それでよいかというと、そうではありません。

通常の両眼視機能を有している人であれば、遠くのものを見ているときよりも、

1209232.jpg


近くのものを見ているときのほうが両眼が内側に寄ります。

1209231.jpg


三角形で考えましょう。
底辺の長さ(左右瞳孔間距離)は同じで、高さ(見るものまでの距離)が違う、二つの三角形△ABCと△DEFがあるとします。
それぞれの三角形の底角、すなわち∠ABCおよび∠BCA、∠DEFおよび∠EFDが、それぞれの視線の角度になります。

ixy_20120923_01.jpg

高さが低い(見るものまでの距離が短い)ほうが、底角度が急になる、すなわち視線が内側に向くことがわかります。

このように、見るものの距離によって視線の角度は変わるわけですが、視線を変えるためには外眼筋と呼ばれる眼球を動かす筋肉を働かせることが必要になります。


遠くから近くに視線を合わせるためには、(通常は)遠くを見ているときよりも両眼を内側に寄せる筋肉を使います。
床に置いてある10キロの米袋を持ち上げるような感じと言いましょうか。
持ち上げるのに十分な力がなければ、持ち上げることはできません。
それと同じで、目的の距離まで眼を寄せる力がなければ視線を合わせることができません。
パソコンモニターの距離まで視線を合わせることができなければ、パソコンモニターは2つに見えてしまいます
両眼複視)。

では、寄せる力はあるとしても、寄せ続けるためのスタミナがなかったらどうでしょう。
10キロの米袋を5分抱えていることはできても、30分は無理かもしれません。
それと同じで、最初のうちはパソコンモニターをきちんと見られていても、時間の経過とともに見ているのが辛くなります(眼精疲労)。
場合によっては、視線をそろえられなくなり、両眼複視が生じることもあるでしょう。


ですから、パソコンモニターを見るためのメガネというか度数を決定するためには、その人がどれくらいパソコンモニターを見る筋力があるのか、あるいは、モニターを見続けることに筋的なストレスを感じやすいタイプかどうかを探っていく必要があります。

たとえば、近見時の斜位(水平・垂直)が大きいほどストレスは大きくなります。
輻輳近点が遠かったり、相対性輻輳力が弱かったり 輻輳効率が低かったりといった背景があっても、パソコン作業はしんどくなります。

逆に言えば、このような両眼のチームワークや前述のピント合わせ機能からのアプローチを抜きに、快適なパソコン作業用メガネを提供しようとするのは専門店としてはマズイわけです。

では、この二点を踏まえればオーケーかといえば、そうとは言えません。

続きは、また後日。

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  1. 2012/09/23(日) 23:39:24|
  2. 視機能・視覚・検査など
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