キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

ちょっと直してくれれば

たとえば、こんな感じのフレームを

ixy_20120908_02.jpg

曲げてしまったので直してください、と持ってこられることが往々にしてあります。


どんなふうに曲がったかというと、


フロントの耳側(目尻のほう)が吊り上ってしまっています。

ixy_20120908_05.jpg

右のクリングス(鼻パッドを支える部分)が、大きくつぶれています。
右のテンプルも開いてしまっています。

ixy_20120908_04.jpg

テンプルの傾斜が左右異なっています。
この人の場合は、左右の傾斜がそろっているのが望ましいです。

1209101.jpg

直すところがいっぱいです。


こういうフレームを「直してくれ」と言われて、「はい、わかりました」と素直に応じられればよいのですが、「直す過程で、フレームが壊れてしまう可能性がありますが、よろしいでしょうか」と、お店の人に言われることは珍しくありません。
つまり、「壊れても責任は持てません。もちろん弁償はできません。それを承知で型直しを依頼されますか」ということです。

そのお店で買った枠でなかったり(そのフレームの品質的な信頼度がわからない)、だいぶ汚れていて錆やメッキはげが目立ったりするフレームであるほど、そう言われる確率は高くなります。
たとえ、自店で販売した枠であっても、曲がりが大きければ金属疲労を起こしている可能性がありますから、お店としてもいじるのは怖いです。

このようなお断りを事前にしないで型直しをしたときに限って壊れてしまうというのが、この業界の定説ですので、やばいなと思った時は、お客様に了解を求めるのが普通です。

普通のお店は「わざと壊して、新しいメガネを買わせよう」なんて思うことはありません。
壊してしまった後のトラブルを避けるために、事前に了解を得るのです。


このようにお店側から言われたとき、よくあるご返答が「壊さないようにやってよ」であることは以前ネタにしました。
もうひとつ、よくあるご返答が「じゃあ、ちょっとだけ直してよ」というもの。

この「ちょっとだけ」というのが曲者です。
どこを直せば、ちょっとだけ、になるのでしょうか。


上記のフレームのパターンであれば、クリングスを直してお渡ししたとします。
ほぼ間違いなく「まだ緩い」とか「斜めになる」とか言われます。
テンプルの開きだけを直してお渡ししても「鼻の周りがしっくりこない」「斜めになる」と言われます。
ちょっと直しただけではご満足いただけません。

ある程度、掛けられる状態に戻すためには、結局ほとんどの部分をいじらないといけないのです。

ですから「ちょっとだけ」と言われても、それは難しいのです。
そもそも、「ちょっとだけ」いじっただけでも、壊れるときは壊れるものです。
これは、やってみなければわかりません。

型直しを依頼される際には、そういった背景をあらかじめご理解いただけると幸いです。



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  1. 2012/09/10(月) 23:30:40|
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