キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

合理的な理由

他店さんでメガネを作られていたかたが、当店をご利用される場合、まずお使いのメガネの度数を調べます。
その際、「明らかにプリズムが入っている」と判断できる場合があります。

このとき、お客様のパターンは大きく分けて2つ

1、プリズムが入っていることを承知している
2、プリズムが入っていることを知らない


次いで、自店でお客様の視機能を調べた結果、そのプリズムが入っている根拠を、私自身が理解しにくいことがあります。
たとえば、
・自店での検査ではどうやっても外斜位なのに、ベースアウトのプリズムが付加されている
・自店で測定した融像除去上下斜位は、1プリズムの右上斜位(右眼に1△ベースダウン)なのに、右眼に3△ベースダウンが付加されている
といったようなケース。


それで、そのメガネを使われているお客様の反応が、大きく分けて2つ

A、調子が悪い
B、調子が良い or 特に不自由はない


上記の1・2、どちらでも、上記のAであれば話は早いです。

問題は、「1でB」の場合です。

上下方向のプリズムに関して、自店測定データと大きく乖離がある場合は、たいていそのメガネの調子は悪いはずですが、水平方向に関しては不具合が具現化しにくいこともあります。
不具合をかんじなければ「調子がいい」という言葉に置き換えることもできるでしょう。

さらに、「前のお店で、プリズムを入れてもらったので、今回もプリズムを入れてほしい」という要望があったとしたら・・・

当店測定データとは、ベース方向が反対のプリズムが入っているにもかかわらず、不具合を感じていないわけです。
このとき、本来のベース方向のプリズムを入れて、かえって調子が悪いということになると、非常に厄介です。

また、以前も話しましたが、当店の検査では「プリズムを入れる合理的な理由がみつからない」ということもあります。
でも、お客様は「プリズムを入れてもらって具合がいい」わけです。


いずれにしても、「現在使用中のメガネのプリズムは、今回の検査結果から踏まえると、逆の効果を生むものである」という説明をしないといけません。

これが実は、大変難しいです。
なぜなら「今のメガネで具合がいい」から。
具合のいいものに対して、ケチをつけることになります。

そもそも、今のメガネのベース方向が逆になっていることに対する合理的な理由を説明できません。
当時のデータがわからず、当店の検査結果が逆の結果である以上、説明できるはずがないのです。
専門的な話をしても「難しいことは分かりません」と言われるのが関の山です。

かといって「なぜ、こうなっているのか、私ではわかりません」というセリフは、「この人、実は何もわかってないんじゃないの?」と思われかねません。
下手をすると「当店の検査が間違っているのではないか」と疑われかるかもしれません。

もしかしたら「単純に加工を失敗しただけ」かもしれませんが、それは、仁義に反するので言うべきではないでしょう。
それをこの場では証明できないのですし。

さて、どうしたらよいか。

褒められたものではありませんが、無難な(?)策として、同じプリズムを付加するという手があります。
ですが、もしこのお客様が、また別のお店で検査をされ、当店測定と同じような結果になり、測定者の所見が私と同等で、このメガネが当店の調製であることを知ったら、「何やってんだ、こいつ」と思われるリスクがあります。
ポロクソにこき下ろされ、ブログで晒されるかもしれません。
それは避けたいです。


こういったケース、忘れたころに起こります。
ここをスマートに乗り切れるようになると、一皮むけられるのですが。









  1. 2017/04/09(日) 23:53:12|
  2. 視機能・視覚・検査など
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