前回、購入したメガネの見えかたに不具合がある場合、まずは買われたお店に行きましょう、という話をしました。
それと関連しますが、現在メガネを使用しているかたが、新しくメガネをつくろうかなと、メガネ店へ行く場合、使用中のメガネをご持参されることをお勧めというか、お願いいたします。
読書用とかパソコン用だったり、コンタクトレンズ中心のかたのメガネであれば、常用されていない場合がありますので、ついつい持参されるのを忘れてしまうことがあるかと思います。
無論、持参されなくてもお作りすることは可能ですが、より快適に使える新しいメガネをご提供するために、使用中のメガネがあると、そこからたくさんの情報を得ることができるのです。
要するに「叩き台」ができるというわけです。
度数や瞳孔間距離、レンズの種類や設計などがわかれば、度数やレンズを決定する際の大きな参考になります。
たとえば、今回の完全矯正値は、それまでの度数からどれくらいの差があるのか、乱視の量や角度はどれくらい違っているのか、今までのメガネではどちらの眼がよく見えていたのか、その他いろいろ。
もし、今までのメガネが、近視過矯正状態になっていた場合、今回の完全矯正値でおつくりすると「前のほうが見やすかった」と言われてしまう可能性もあります。
お客様が「前のはガラスレンズだった」とおっしゃるのでガラスレンズでつくったら、実は以前のはプラスチックレンズで、重くて嫌だと言われてしまった、なんていう可能性もあります。
レンズや度数の情報だけでなく、フレームの情報も大切です。
フレームの反りが違い過ぎる場合や、
玉型サイズが違い過ぎる場合は、
見えかたであったり、視界に入るフレームの感覚が違ってきますので、事前にご説明しておくことがトラブル回避につながります。
また、フレームを見れば、そのかたがメガネをどのように・どんな環境で扱っているか、ある程度の想像はつきます。
ぞんざいに扱う(ように思われる)人が、華奢なフレームを気に入られた場合には注意が必要でしょうし、泥だらけ埃だらけ汗まみれのフレームを掛けておられる人にバネ蝶番式のものは勧めにくいです。
テンプルの傾斜が左右違っていても、それを装用した時にフレームが右下がりとか左下がりになっていない場合には、フィッティングにそういう配慮が必要ですから、調整のしやすい枠を選ぶのが妥当です。
あるいは、このメガネは具合がいいけれど、同じ度で作ったこっちのメガネは具合が悪い、なんていう場合には、両方ご持参いただけると非常に参考になります。
こんな感じで、とにかくいろいろな情報が詰まっていいますから、ご使用中のメガネはなるべくご持参いただきますよう、ご協力をお願いします。