キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

21項目検査 #12

今週の21項目検査は、#12A・#12Bです。

これは垂直方向の眼位に関する検査でありまして、水平方向に関する眼位検査、#8#10#11の垂直版と理解していただければよいでしょう。

#12Aは、#7(#7A)を通しての遠見上下斜位の測定です。
#8同様、マドックス杆かフォン・グレーフェ法(プリズム分離法)が用いられることが一般的です。

#12Bは、上下方向の寄せ運動能力の測定です。
両眼である視標を固視した状態で、片眼にベースアッププリズムおよびペースダウンプリズムを付加し、視標がi2つに分離したプリズム量、再び1つに見えたプリズム量を記録します。


これで遠見の検査は終了です。
#13以降は近見での検査になります。


以下、余談になります。
難解なので、一般のかたは無視してください。


上下斜位の測定に関して考慮すべきこととして、「光学的上斜位の排除」が挙げられます。

上下斜位の測定時には、左右の瞳孔中心の高さと、左右レンズの光学中心の高さが一致していることが大切です。


A. 一致している状態(青線の位置が、レンズ光学中心の高さを示していると仮定します)

1102023.jpg

B. 左眼の瞳孔中心が、左レンズの光学中心よりも高く位置している場合

1102024.jpg



眼鏡レンズは、光学中心位置を基準にして、凹レンズなら基底方向がレンズ周辺に向いているプリズムレンズ、凸レンズなら基底方向が中央部に向いているプリズムレンズと考えられます。

近視眼で上図Bの状態であれば、右眼には光学中心を通過した光が入射しますので、プリズム作用が働きません。
しかし、左眼は光学中心よりも上部を通過した光が入射します。
これは、眼前にベースアップ(基底上方)プリズムが付加されているのと同じ状態になります。

1102021.jpg

遠視眼で上図Bの状態であれば、右眼には光学中心を通過した光が入射しますので、プリズム作用が働きません。
しかし、左眼は光学中心よりも上部を通過した光が入射します。
これは、眼前にベースダウン(基底下方)プリズムが付加されているのと同じ状態になります。

1102022.jpg

このため、この状態で上下斜位の測定をすると、本来は上下方向の眼位は正位であっても、近視眼なら右上斜位・遠視眼なら左上斜位があるような誤差が生じることになるのです。
度数が強いほど(且つ左右の度数差が大きいほど)、瞳孔中心と光学中心の高さのずれが大きくなるほど、この誤差は増大します。

ですから、上下斜位の測定時には、瞳孔中心と光学中心の高さをきちんと確認することが大切なのです。
  1. 2011/02/02(水) 23:37:05|
  2. 視機能・視覚・検査など
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