キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

オプトメトリスト

当店のキャッチフレーズは「オプトメトリストのいる店」です。
とはいうものの、「オプトメトリストって何だ?」というのが、ほとんどのかたが思われる感想でしょう。

オプトメトリスト(optometrist)を英和辞書で調べると、検眼医、視力測定医などと書かれています。
が、これは非常に表面的な訳語です。

「視機能」や「視覚」といった「見る」ために必要な要素を、さまざまな手法を用いて測定し、「視力」や「度数」以外の観点からも分析していく学問を「オプトメトリー」、その学問を究めた人たちを「オプトメトリスト」と呼ぶ、私はそういうふうに解釈しています。

たとえばアメリカにおいては、メガネ・コンタクトレンズの度数測定・処方、多岐にわたる視機能や視覚の検査・分析・トレーニングの指導、眼疾患の発見・治療(州によって、対応できる範囲が異なります)などが、メインの仕事になるかと思います。

近年のオプトメトリストの業務は、眼疾患への対応にウエイトが置かれてしまっているので、optometryとophthalmology(眼科学)との境界があいまいになってきている部分があるのも事実です。
ですが、オプトメトリストは、アメリカやカナダ、ヨーロッパ諸国をはじめ、多くの国で国家資格として認められています。

アメリカですと、理系の大学を卒業したあと、全米に十数校ある大学のオプトメトリー学部に入学します。
そこで4年間学び、国および州の試験に合格することで、「ドクター・オブ・オプトメトリー」として開業する資格を得ます。
しかし、日本では国家資格としては認められていないので、仮にその資格を持っていたとしても、日本で医師として仕事をすることはできません。

近年、わが国では、軽度発達障害で悩まれているかたへの視機能・視覚的アプローチとして、オプトメトリストの存在が着目され始めています。
けれども残念なことに、日本国内で、この資格を持っているかたは十数名と、非常に少ないのが現状です。

私も、そういったアプローチをすることは可能ですが、「ドクター・オブ・オプトメトリー」の資格は持っておりません。
私の場合は、視機能や視覚に関するトレーニング方法を、深く勉強したいという希望がありましたので、米国パシフィック大学オプトメトリー学部の修士課程に入り、専門的な知識を学んできました。

2001年5月に、修士課程は嘘偽りなく修了しましたが、

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私の正式な肩書きというか学位は「マスター・オブ・サイエンス・イン・クリニカルオプトメトリー」です。
日本では得られない学位なので「米国オプトメトリー修士」と名乗って(?)いるわけです。
逆に言えば「米国オプトメトリスト」と名乗ることはできません。

では、私の店のキャッチフレーズや、店内に飾られている認定証でうたわれている「オプトメトリスト」とは何かというと、

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「日本オプトメトリック協会(JOA)」が認定する民間(?)資格です。
7科目の学科試験と、実技試験に合格することで認定されるもので、現在は500名くらいいます。
資格の維持には、継続的な生涯教育の受講が必要です。

欧米で国家資格として認められた「オプトメトリスト」ではないので、名刺その他でオプトメトリストを名乗るときには「日本オプトメトリック協会認定」とつけるようにしています。

「オプトメトリストのいる店」というキャッチフレーズについては、このように、少なくとも嘘はついていないと思うので、その旨ご理解いただければ幸いです。
  1. 2009/03/08(日) 23:32:34|
  2. 視機能・視覚・検査など
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