キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

21項目検査 #5・#6 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#5と#6です。

これは、どちらも「動的検影法(動的レチノスコピー)」なのですが、#5の検査距離が原則50cm、#6の検査距離が原則1mと、検査距離が違うところが特徴です。

先週ご紹介した#4は「静的」検影法でした。
#5・#6は「動的」です。

「静」と「動」の違いというのは、検査中に眼の調節機能(ピント合わせの機能)と輻輳(両眼を寄せる力)が働くか働かないかだと考えていただければよいでしょう。

「静的検影法」は屈折度数を測定するためのものでしたが、「動的検影法」は調節機能(調節と輻湊の相互関係)の状態を調べるのが目的です。

動的検影法には幾つかのテクニックがありますが、必ず必要なものが静的検影法で使うレチノスコープです。

1012221.jpg

検査テクニックによって検査に使う視表が異なります。
私はレチノスコープにマジックテープを付けておりまして、

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動的検影法に使う視表を取り付けられるようにしています。

IMG_5188.jpg
1012291.jpg

被検者にこういった視表を見てもらっている間に、両眼の反射光を観察するというのが検査の大筋です。


なお、視機能の体系的なデータ分析をする上でこの動的検影法の数値が必要な場合がありますが、注目される数値はほとんどの場合#5であって、パシフィック大学の記録用紙には#6の記入欄はありません。


動的検影法は「他覚的調節ラグの検査」と考えることもできるのですが、つまりは後日紹介する「自覚的調節ラグ」の検査ができない場合(乳児・知的障害者など)の代替措置ともなります。
(調節ラグについては、後日説明します)


教科書的に言えば、その他の動的検影法の役目としては、

・処方度数の左右調節バランスの確認
・近見時における乱視度数の確認
・調節幅の測定

なども挙げられます。

しかし個人的見解ですが、動的検影法の検査結果(得られる数値)には幅があり、正確さという点では曖昧な部分も多く、体系的データ分析を行なうための材料とする以外、臨床においては「自覚的検査」ができない場合の検査法としての役目が強いように感じます。

  1. 2018/01/31(水) 23:55:53|
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フレネルプリズムの部分使用

眼窩骨折の結果、骨折部位に外眼筋が引っかかってしまい癒着を起こしてしまったらしく、右眼の外転障害で複視が起きているというかたがご相談に見えました。
正面視時には複視がなく、右方視で複視が生じるということです。

眼科では、手術はリスクがあるとのことで勧められておらず、相談に行かれた眼鏡店さんでは「右方視時に目を動かすのではなく、頭を動かして見るような癖付けをするため、玉型の小さなメガネにしたらどうか」とのアドバイスがあったそうです。

当店には、眼球運動トレーニングで、少しでも改善できないかということで、ご相談に見えられた感じです。

正直トレーニングでどうこうなるものとも思えませんが、動かせる範囲で、より滑らかに動くようにトレーニングするのは無駄ではないでしょう。
ただ、主訴の解決にはなりません。

複視を生じるエリアを確認し、プリズムバーを当ててそのエリアを見ていただいたところ、複視の軽減が見られましたので、装用されているメガネの右眼耳側領域に、フレネルプリズムを基底外方にして貼り付けることにしました。
どの辺に貼り付ければいいかは、相談をしながら決めます。

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ixy_20180130_002.jpg

理屈としては、下記のようなイメージです。

正面視時には、両眼が目標に向きますので、複視は起きません。

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目標が右に動いたとき、左眼は目標に向かって内転できますが、右眼は途中までしか外転できません。
結果として、目標物は左右眼の網膜対応点=中心窩(黒丸の位置)に映りませんので、複視が生じます。

ixy_20180130_004.jpg

ここで、右眼に基底外方プリズムを当てると、プリズムの作用により目標物が基底方向に屈折し、右眼中心窩に映るようになるため、複視は解消されるということです。

ixy_20180130_005.jpg

無論、目標がさらに右に移動すれば、より大きなプリズム量が必要となりますし、プリズムを貼っていないところからプリズムの貼ってあるところに視線が移動した瞬間は、見えている像の動きが出るので、快適かと言われれば、そうとは言えないでしょう。

ですが、これにより、かなり見やすくなったということなので、まずはお使いいただくことになりました。

お使いのメガネ、それなりに強度数なので、レンズのコバ厚がどうしても目立ってはしまいます。
当店でしたらウスカルフレームをお勧めしてしまうところですが、それだとフレネルを貼れるエリアが少なくなってしまいますので、これくらいのサイズの玉形で、かえってよかったのかもしれまん。

お役に立つことを願っております。




  1. 2018/01/30(火) 23:50:44|
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21項目検査 #4 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#4の静的検影法(静的レチノスコピー)です。

屈折検査というと、眼前にレンズを置いて「どのレンズが見やすいか」といった、いわばお客様の判断に委ねる「自覚的検査」を行なうのが通常ですが、この検影法というのはお客様の判断を要しない「他覚的検査」です。

オートレフラクトメーターによる測定も「他覚的」ではありますが、熟練者が検影法を行なえばオートレフラクトメーターの結果よりもはるかに信頼度の高い(自覚的検査と遜色のない)結果が得られます。

他覚的検査の利点は、お客様に自覚的判断を委ねられない場合(乳幼児や知的障害者など)にも対応ができるというところです。


知的障害のある人たちが参加するスペシャルオリンピックス世界大会のビジョンスクリーニングで静的検影法をやっている私。
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さて、この検影法には「レチノスコープ」と呼ばれる道具が必要です。

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この道具で眼(瞳孔)の中に光を当て、眼底からの反射光で度数を判断します。
夜にフラッシュをたいて写真を撮ると「赤目」になることがありますよね。
あの赤い色が、眼底からの反射光だと思ってもらえばよいかと。


人間をモデルにするのは、まぶしくて気の毒なので、検影法の練習に使う道具を用意しました。

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中央の丸い部分を瞳孔に見立て、ここに光を当てながらレチノスコープを覗くと

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こういう風な赤い光が見えます。

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この状態から、レチノスコープを上下・左右に振りますと、光の帯のようなものが動きます。
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このときの光の帯の動きかた(速さ・方向)や明るさの変化などを判断材料にして、度数を測定するわけです。

うまく撮れませんでしたが「この度数でほぼ正解」という段階に限りなく近づいた時の見えかたの一例。
(レチノスコープを左から右に動かした場合)

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実際に静的検影法を行なう場合には、眼前にレンズを当てますので、レンズ交換が容易なフォロプターを使用したほうがやりやすいのは事実ですが、フォロプターを使うことができない場合は、仮枠レンズや板付きレンズを使います。

当店では、すべてのお客様にではなく、必要に応じて静的検影法を行なっております。


  1. 2018/01/23(火) 23:50:49|
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深視力検査

深視力検査に合格できなくて困っているかたが当店にご来店された結果、新しくメガネをおつくりいただく確率は100%ではありません。

まず、眼疾患による視力低下や、大きな斜視角(特に内斜視)を有する両眼視機能異常などにより、当店の測定技術ではメガネによる対応が困難なため、ご注文をお受けできないというケース。

もう一つが、現在お使いのメガネ、もしくは裸眼で、何とかなるのではないですか、というケース。

現在のメガネ、もしくは裸眼で深視力検査を受けたものの精度が悪くて当店に来られたのに、今のままでよいというのはどういうことかというと、

・深視力計の見かた(立体感のとらえかた)を理解できた
・両眼視機能トレーニングにより、精度が向上した

のどちらかに当てはまったからです。

今週も何人かご相談に見えましたが、とりあえず今のメガネで再度チャレンジしていただくことになりました。
ひとりのかたは、来店当初はどうにもならなかったものの、1週間ほどのトレーニングで合格できたとご挨拶にお見えになりました。

では、その「見かた」とは?「トレーニング」とは?という話になりますが、それについては、ここでの説明は致しません。
別に大したことではありませんし、過去にセミナーでご紹介もしてはおりますが、メシの種をわざわざブログでバラまくのは気が進みませんので。

なお、すべてのかたが、トレーニングで対処できるわけではありません。
度数を変えたほうがよければ・新しくメガネを作ったほうがよければ、まずそのようにした上で、トレーニングを行なうこともあります。
その点は誤解なきようお願いいたします。


  1. 2018/01/20(土) 23:58:19|
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21項目検査 #3 (リバイバル)

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今週は#3、「裸眼もしくは現在使用中の眼鏡装用下での遠見水平斜位」です。

この検査で得られた値と、後で行なう屈折異常矯正下で測られた斜位とを比較する、というのがデータ収集の意図になります。
斜位の程度(変化量)によっては、処方度数決定の際の参考になることもあるわけです。

#3は「遠見水平斜位」となっていますが、裸眼もしくは現在使用中の眼鏡装用下での「近見水平斜位」も測定します。
これは別の番号が振られています(#13A)。
しかし、裸眼もしくは現在使用中の眼鏡装用下での「上下斜位」は21項目検査には含まれておりません。

21項目検査は、調節と輻湊の相互関係(水平方向の眼位・寄せ運動とピント合わせの機能との関係)のチェックに重点が置かれているので、上下方向の眼位に関してはウェイトが低いようです。


なお、21項目検査の中で測定される斜位は、融像除去斜位(Dissociated phoria)になります。
偏光視表等で測定される一部融像除去斜位(Associated phoria)は、検査項目には含まれていませんので注意が必要です。

融像除去斜位(Dissociated phoria)の測定は、マドックス杆か、

0908239.jpg

von Graefe法(プリズム分離法)が用いられるのが一般的です。

IMG_5122.jpg

#3の斜位と、完全矯正下での斜位とを比較するのであれば、どちらも同じ方法で測定するのがよいと思います。


なお、私は通常は#3も#13Aもやっていません。
一々斜位の量を定量化するのは余分な時間がかかるので、カバーテストで「裸眼もしくは現在使用中の眼鏡装用下での遠見・近見の水平・上下斜位の傾向をつかむ」程度で済ませています。
それだけでも、以降の検査や処方の方向性を掴むには十分ではないかと思っています。




  1. 2018/01/17(水) 23:50:48|
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21項目検査 #2 (リバイバル)

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今週ご紹介する検査項目は、#2(角膜曲率半径の測定)です。

角膜曲率というのは、平たく言えば角膜の湾曲具合でしょうか。

ケラトメーターという器械で測定します。

本体の写真がないので、測定しているところの写真でご勘弁を。

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しかしながら、こんにち、ケラトメーターを装備している眼鏡店は少ないと思います。
ほとんどの場合、オートレフラクトメーターとオートケラトメーターが一体になった器械を置いているかと。
(当店も、これです)

ark700.jpg

角膜曲率半径の測定値は、こんな感じで表示されます。

10120081.jpg


ところで、この角膜曲率半径、コンタクトレンズの処方の際には必ずといっていいほど必要になりますが、眼鏡処方においては必ずしも必要ないというか、別にこのデータがなくても快適な眼鏡調製は可能です。
(と言ってしまうと異論を唱えるかたが、確実に1人はいらっしゃるはずですが。)

そういう事情があって、ケラトメーターの機能のないオートレフラクトメーターを使用しているお店のほうが多いかもしれません(そのほうが安価なので)。


屈折検査における角膜曲率のデータは、おもに乱視度数を類推する際に有効です。
しかしながら、オートレフラクトメーターがあれば、乱視度数も測定されてしまうのは事実です。
が、眼疾患のためにオートレフラクトメーターでの測定精度が低い場合に、角膜曲率半径がわかれば、乱視度数・乱視軸の目安を探ることができます。

また、角膜表面が不均等なために生じる不正乱視や、円錐角膜の予測も付けられます。
(オートレフラクトメーターでも、ある程度はわかりますが)

角膜曲率の経年変化を追っていければ、白内障の度合いの変化を追跡していくこともできなくはありませんし、屈折異常が「軸性」か「屈折性」かの区別の際に、このデータが参照されることもあるようです。

ただ、いずれにしても、データがあれば便利だけれど、なくても致命的な問題にはならないというのが、実際のところではないかと思います。

  1. 2018/01/10(水) 23:55:19|
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21項目検査 #1 (リバイバル)

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21項目検査には、検査内容ごとに番号が付いており、通常は検査名のかわりにその番号で各検査を表します。
カルテにも、検査名でなく番号のみが書かれていることが多いです。

本日は一番最初の検査、#1について。
この検査は、直像鏡を用いての前眼部・透光体・眼底の検査です。

先週の概説で、21項目検査を完璧に実施している眼鏡店はほとんどないと思う旨の私見を述べましたが、その最も大きな理由がこの#1です。
つまり、#1を実施している眼鏡店は極めて少ないだろうということです。

この検査には直像鏡が必要ですし、眼底を眼鏡店の人間がチェックするという行為が適切か否か(眼鏡店で行なってもよいのか)という問題もあるわけです。
(ここでは政治的な論争は避けたいので、私がどう考えているかは封印します。)


直像鏡というのは、こんなものです。

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これを使って、角膜や虹彩・水晶体などのチェックと、眼底観察を行ないます。

眼科医がよく使っているのは、倒像鏡だと思います。
倒像鏡は、比較的広い範囲が見渡せますが、実物が上下反転した像を見ることになります。

倒像鏡で右眼を見ると、こんな感じのはず。(『現代の眼科学』より)

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一方、直像鏡は像の反転はありませんので、実物の通りに見えるのですが、一度に見える範囲が狭いです。
私の持っている直像鏡だと、右眼はこんな感じの見えかたになります。
全体を観察するのは、血管をたどったりして、結構大変です。

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アメリカのオプトメトリストも、私が見てきた限りでは、倒像鏡を使っての眼底検査をしているので、#1は省略してしまうことが多いようです。

ちなみに、当店でもこの検査はやりません。
私はドクター・オブ・オプトメトリーの学位は持っていませんから、仮に眼底を見たところで眼疾患を正確に判断(診断ではない)できるだけの知識はありませんので、お客様にまぶしい思いと不安な思いをさせるだけです。
屈折検査の過程や、聞き取った情報の中から、何か気になる点があれば、医師の診察を受けていただくようにおすすめします。





  1. 2017/12/25(月) 23:55:37|
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21項目検査 概説 (リバイバル)

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7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
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メガネ店のホームページやブログなどで「米国式21項目検査」という単語を目にされたかたもいるかと思います。
「何それ?」というのが、率直な感想でしょう。

「米国式」とうたわれている通りアメリカが発祥ですが、アメリカ以外の国でも取り入れられているのが現状です。


この検査を行なうことで、眼の健康状態や屈折異常、両眼視機能の細かいデータが得られます。
そして、このデータをもとに体系化された分析、あるいは非体系化分析をすることで、両眼視機能の傾向がはじき出され、眼鏡処方の目安にしたり、ビジョントレーニングの方向性を打ち出すことが可能になります。

しかしながら、実際のところ、「現在の」アメリカのクリニックで、この検査を積極的に取り入れているところは決して多くはありません。

現在のオプトメリーは、眼科領域にかなり足を踏み入れてしまっているために、オプトメトリー学部の講義も眼疾患がらみのものが非常に多いですし、両眼視に重きを置いたこの検査法を学ばない学校もあると聞いた気がします。
私のいたパシフィック大学では、一通りの講義はありましたが、眼疾患に関する講義に押され気味だったのは事実です。

臨床においても、21項目の検査を一通り行なうには、それなりの時間がかかりますので、限られた時間内で効率よく、そして眼疾患の見落としのない診療(これがとにかく大事なのです)をするためには、どうしても軽視されがちな感は否めません。

Behavioral Optometryを標榜しているクリニックであれば、実施率は高いと思いますが、すべてのPatientに対して実施するクリニックと、必要な人に必要な検査を行なうクリニックとが混在しているのが現状です。


下の画像は、パシフィック大学内のクリニックで使用されていたカルテです。

私が診察を受けたときのものですが、表面が予備検査および21項目検査に関する部分(我が国の眼鏡店の検査とかぶる部分)、裏面が眼科的な部分です。
現在は、この裏面の部分に極めて高いウエィトが置かれているわけです。

表面
10112411.jpg

裏面
10112421.jpg



では我が国の眼鏡店で、21項目を「完璧に」実施しているところがあるかというと、これは限りなくゼロに近いと思われます。
まず、21項目検査を習得しているか否かという点で、ふるいにかけられるわけですが、習得はしていたとしても検査項目によっては
・眼鏡店が実施することに是非があるもの
・専門器具がないとできないもの
がありますし、必ずしもすべての項目を実施しなければデータ分析ができないというわけでもないからです。
(もちろん、多くのデータがあるに越したことはないのですが)

ですから、21項目検査を習得しているお店でも、「基本的には、これとこれとこの検査は行なう」という「検査のひな型を持つ」スタイルと、「お客様に応じて必要な項目を取捨選択して行なう」というスタイルとに大別されるかと思います。
私は、お客様の負担軽減と時間短縮(他にも時間を要する作業がいろいろありますので)の観点から、後者のスタイルを取っています。


さて、能書きが長くなりましたが、これから少しずつ、21項目検査の各項目について一般のかた向けの紹介をしていこうかと考えています。
なお、あくまでも表面的な話しかするつもりはありませんので、具体的な検査手順についてはスルーします。

具体的な話を希望するかたには申し訳ないですが、これは、これまでも何度となく申し上げている通りです。
以下に紹介するような参考文献を購入するなり、通信教育を受けるなりして、自ら学んでいただければ幸いです。

『視機能検査 テスト手順マニュアル』 アービン津本O.D.,関真司O.D.著 興隆出版社

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『米国式21項目検査入門』 津田節哉O.D.著 近代光学出版社

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  1. 2017/12/17(日) 23:56:01|
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距離によって必要なプリズム量が異なるケース

以前、距離によって斜位の量は変わる、という話をしました。

それ自体は、ごく普通のことですが、であるがゆえに、近見で必要なプリズム量と、遠見で必要なプリズム量というのは、異なることは珍しくありません。
ただ、一枚のレンズで度数が変化する累進レンズのように、一枚のレンズでプリズム量を任意に変化させられるレンズというのは、私は知りません。

そのため、時によっては、プリズム量の決定を、お客様の自覚に委ねざるを得ないことがあります。
(無論、どんな場合でも最終判断はお客様にお願いすることになるわけですが。)
距離によって、複視の程度が変わる場合、というのが、その一例です。

たとえば、50センチよりも近くの距離は問題なくて、50センチから離れるほど、複視が大きくなってくる、医師からは少し様子を見ましょうといわれている内斜視の場合。
様子を見ましょうと言われても、今、困っているのだから何とかしてほしいということで、今何とかできるプリズム量を探すとします。
5メートルの距離で複視が解消されるプリズム量があったとして、それで万事解決かというと、そう単純にはいかないことが多いです。
20メートル先はプリズムが足りなくて複視になり、40センチの距離は無駄なプリズムのために疲れる、ということはあり得るわけですから。

こういうときは、複視という明確な判断基準がありますので、どの距離での複視が解消できれば良いのかを念頭に置き、近見を考慮することになります。
40センチの距離はメガネを外して見ればいいという人もいますし、近業用にかけかえればいいという人もいますし、掛け外しなく済ませたいという人もいます。

なのでこうしたケースでは、止むを得ず、ご本人の自覚を頼りに、 テストレンズをいろいろ試しながら最も妥協できる着地点を探していくことが多いのですが、私の考えの入る余地はほとんどなくなります。
理論がどうであれ、お客様にノーと言われれば、それは使えないのですから。

お客様に丸投げしてしまうプリズム量選びに関しては、ある意味「いい加減」と受け取られてしまうかもしれませんが、お客様が使いやすければそれが一番良いわけで、選ばれたプリズム量に対する注意点の説明であったり、レンズやフレームを選んだり、加工やフィッティングで、専門家としての腕を発揮できれば、その「いい加減さ」は相殺されるかなと感じます。






  1. 2017/12/05(火) 23:53:10|
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まずは入力系を

何度かお話ししていることですが、繰り返し。

こちらの事情で長い間休止状態になっている、視覚情報処理系の検査やトレーニングですが、お電話での問い合わせだけはポツリポツリといただいています。
結果的に、お断りしてしまうことになるのは申し訳ないのですけれど、一通り現状についてのお話はお伺いします。

そうしますと、時折、「ノートや教科書等を読みにくそうにしている」ということをおっしゃられるケースがあります。
このようなときは、まず屈折異常や両眼視のチェックが必要です。

ここを抜きにして、視覚情報処理だ、目と手の協応だ、と大騒ぎするのは、ちょっと筋違いです。
「学校での視力検査では、問題ないのですが」と言われることもありますが、近見視力や両眼視(例えば立体視)のチェックまでされている学校が、はたしてどれだけあるのか?

どうしても「ビジョントレーニング」という単語が先走ってしまいがちですが、土台(入力系)をしっかりと構築することが、第一歩です。






  1. 2017/12/03(日) 23:55:31|
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高次収差

先月の展示会で、眼球光学系の高次収差(主に角膜由来)が測定できる器械をいじってきました。

あまり突っ込んだ解説をしようとすると墓穴を掘るので、簡潔に話しますと、高次収差というのは「メガネレンズやコンタクトレンズでは矯正が困難な像のボケ」といった感じでご理解ください。

測定画面の一例↓

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この類の器械は眼科で使われるものですが、一部の機能を除外して眼鏡店で使いやすくしたモデルです。
より詳細なデータの得られるオートレフケラトメーターという位置づけでしょうか。
当然、高価になります。

何がわかるかというと、たとえば矯正視力が1.0ある人が「確かに見えてはいるのだけれど、もう少しすっきり見たい」とおっしゃることがあります。
矯正度数については、これ以上いじりようがなさそうだし、眼疾患もないと言われている、どうすりゃいいんだと悩むようなとき、この器械で高次収差が大きいことがわかれば、それが原因だという推測ができます。
「そういう眼の質なんですよ」ということです。

つまり、屈折検査の結果がある程度予測できるよ、ということになります。
それだけ?と言われてしまうかもしれませんが、診断行為ができるわけではありませんし、効果的な利用法については究めていく必要があると思います。

某レンズメーカーの開発した似たような器械では、測定された収差をレンズ作製に反映させることができるようなので、そちらのほうが実践的な気はしますが、完全矯正値で処方しない限り、ぼやけは出るわけですから、最大限の効果は発揮しにくいのではないかという気もしています。

そんな背景と資金の都合もあって、当店で即導入ということは考えておりませんが、時代は従来のオートレフケラトメーターからこちらの様式にシフトしてくるのでしょう。

なお、当たり前ですが、この器械を導入したからといって完璧な眼鏡処方ができるわけではありません。
完全矯正値の自覚測定がまともにできなかったり、眼位等を考慮した度数決定ができなければ、ただのデモンストレーションにしかならないことは言うまでもないのであります。


  1. 2017/11/06(月) 23:50:31|
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測定距離

視力や屈折度数を測定するときの距離、日本の眼科では5mが基準です。
アメリカでは20フィート(約6m)です。

ところが、この5mを確保するのは、簡単なようで難しいです。

5mといいましたが、実際には視標から眼までの距離が5mなので、椅子を置くスペースを考えたりすると後ろに1m程度、つまり奥行で6mくらいは必要になります。
これで間口(左右の幅)をせめて1mちょっと取るとすると、測定室だけで約2坪必要になります。

限られた店舗面積の中で、それだけの空間を確保するのは大変なことも多いです。
そんなスペースを使うくらいなら、売り場にしてフレームを並べたほうがいいという考えのお店もあると思います。
あるいは店舗の構造上、まっすぐ6mくらいの距離を取れない場合もあると思います。

そんな背景もあって、眼前1mに視標はあるものの、光学的な工夫で、あたかも5m先を見ているような状況を作り出せるシステムを使っているお店も少なくありません。

事情はわかるのですが、個人的には、せめて視標までの距離を2.5mにして、鏡で折り返して5mとするほうがいいと思っています。


かくいう当店は、5mを確保してはいるものの、

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このように、左右の圧迫感が大きいです。
幾ら5mあるといっても、これが理想的な状態なのかと問われたら、「はい」とは言えません。
何とかしたいとは考えていますが。。。



  1. 2017/08/07(月) 23:52:36|
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眼とスマホの距離

私はスマホを持っていませんし、電車(ロングシートの通勤車両)の中でiPadを見ていると、一分以内に酔ってしまうので、無縁の話なのですが、電車の中でスマホ見ている人たちの様子を眺めていると、皆さん一様に、かなりの近距離で画面を見ておられますね。

相当、眼に(首にも)負担がかかっているなぁ、と思いつつ、「電車の中でスマホが見にくい」という相談が多いのもうなずけます。
朝の通勤時なんて、ほどほどにしておかないと、会社に着く前に疲れてしまいますよ。

もっと眼から話して見ればいいのにと思うものの、そうすると隣の人から覗かれたりして具合が悪いこともあるのでしょうね。

適度に外を見るとか、車内広告を見るとかして、休憩時間を設けたほうがよろしいのではないかと思います。






  1. 2017/07/30(日) 23:54:46|
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フレネルの在庫

自店で働くにあたり、自分がやりたい検査に必要な小道具は、一通り用意をしていたのですが、「フレネルプリズム」は用意がありませんでした。

入手先もよくわからなくて、そのまま時が過ぎていたところ、何かのきっかけで仕入れ先を見つけたので、15プリズム以上のものを揃えました。

揃えたはいいものの、当時はホームページもちゃんとしたものを作っていませんでしたし、大学病院と提携しているわけでもないので、出番がありません。

フレネルには、使用期限というのが設けられています。

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結局、ほとんど販売することなく、使用期限が来てしまったので、販売用ではなく、「お試し用」になってしまいました。

当店の場合、10プリズムを超えるものの出番は稀です。
レンズに組み込める量ではちょっと足りない、とか、レンズに組み込める量であっても納品まで時間がかかる場合までの間に合わせ(とりあえず、複視は解消したい)、とか、短期間でプリズム量が変換するかもしれないので様子を見たい、とかの場合に使うのは、10プリズム未満が多いです。

なので、弱めのものは、在庫をしておいたほうがいいのかなと思うものの、使用期限を過ぎたものを販売するわけにもいかないので、販売用の在庫を持つのはリスクが高いです。

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ほとんどの場合、現状ではお取り寄せになりますので、ご了承ください。




  1. 2017/04/26(水) 23:50:59|
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合理的な理由

他店さんでメガネを作られていたかたが、当店をご利用される場合、まずお使いのメガネの度数を調べます。
その際、「明らかにプリズムが入っている」と判断できる場合があります。

このとき、お客様のパターンは大きく分けて2つ

1、プリズムが入っていることを承知している
2、プリズムが入っていることを知らない


次いで、自店でお客様の視機能を調べた結果、そのプリズムが入っている根拠を、私自身が理解しにくいことがあります。
たとえば、
・自店での検査ではどうやっても外斜位なのに、ベースアウトのプリズムが付加されている
・自店で測定した融像除去上下斜位は、1プリズムの右上斜位(右眼に1△ベースダウン)なのに、右眼に3△ベースダウンが付加されている
といったようなケース。


それで、そのメガネを使われているお客様の反応が、大きく分けて2つ

A、調子が悪い
B、調子が良い or 特に不自由はない


上記の1・2、どちらでも、上記のAであれば話は早いです。

問題は、「1でB」の場合です。

上下方向のプリズムに関して、自店測定データと大きく乖離がある場合は、たいていそのメガネの調子は悪いはずですが、水平方向に関しては不具合が具現化しにくいこともあります。
不具合をかんじなければ「調子がいい」という言葉に置き換えることもできるでしょう。

さらに、「前のお店で、プリズムを入れてもらったので、今回もプリズムを入れてほしい」という要望があったとしたら・・・

当店測定データとは、ベース方向が反対のプリズムが入っているにもかかわらず、不具合を感じていないわけです。
このとき、本来のベース方向のプリズムを入れて、かえって調子が悪いということになると、非常に厄介です。

また、以前も話しましたが、当店の検査では「プリズムを入れる合理的な理由がみつからない」ということもあります。
でも、お客様は「プリズムを入れてもらって具合がいい」わけです。


いずれにしても、「現在使用中のメガネのプリズムは、今回の検査結果から踏まえると、逆の効果を生むものである」という説明をしないといけません。

これが実は、大変難しいです。
なぜなら「今のメガネで具合がいい」から。
具合のいいものに対して、ケチをつけることになります。

そもそも、今のメガネのベース方向が逆になっていることに対する合理的な理由を説明できません。
当時のデータがわからず、当店の検査結果が逆の結果である以上、説明できるはずがないのです。
専門的な話をしても「難しいことは分かりません」と言われるのが関の山です。

かといって「なぜ、こうなっているのか、私ではわかりません」というセリフは、「この人、実は何もわかってないんじゃないの?」と思われかねません。
下手をすると「当店の検査が間違っているのではないか」と疑われかるかもしれません。

もしかしたら「単純に加工を失敗しただけ」かもしれませんが、それは、仁義に反するので言うべきではないでしょう。
それをこの場では証明できないのですし。

さて、どうしたらよいか。

褒められたものではありませんが、無難な(?)策として、同じプリズムを付加するという手があります。
ですが、もしこのお客様が、また別のお店で検査をされ、当店測定と同じような結果になり、測定者の所見が私と同等で、このメガネが当店の調製であることを知ったら、「何やってんだ、こいつ」と思われるリスクがあります。
ポロクソにこき下ろされ、ブログで晒されるかもしれません。
それは避けたいです。


こういったケース、忘れたころに起こります。
ここをスマートに乗り切れるようになると、一皮むけられるのですが。









  1. 2017/04/09(日) 23:53:12|
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裸眼で見やすいのは、どちらの眼?

下記の処方箋をご持参いただいたかたのお話しです。

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・これまでのメガネは右眼の乱視(上記のCYL)が、今回の処方箋より弱かった。
・今回の右眼の乱視は、自分に必要な乱視量より多いのではないか(乱視が過矯正ではないか)

というご不安をお持ちです。

私が信頼している眼科の処方箋で、度数も2回通院して決められたものなので、私としてはこの度数の信頼度は高いと思っています。
これまでのメガネが完全矯正値で作られたものかはわかりませんし、仮に完全矯正値で作られたとしても、その値が正しかったのかどうかは、確認のしようがありません。

普通なら「度数が変わったのでしょう」ということで済ませられそうなものですが、お客様が、乱視の過矯正を疑われている背景には「裸眼だと右眼のほうが見やすい」ということがあるようです。

「右眼のほうが乱視が強いのに、右眼のほうが見やすいのはおかしい。だから、右眼の乱視は、本当はもっと弱くていいはずだ」ということです。

確かに乱視度数だけで考えれば、そのように思われるかもしれませんが、必ずしもそうとは言えません。

分かりにくい話になりますが、この処方箋度数で考えると、

右眼は180度方向が正視で、90度方向が3段階の遠視
左眼は180度方向が2段階の遠視で、90度方向が4段階の遠視

という眼になります。

乱視というのは、角度によって度数が異なる状態ですが、右眼は正視状態の方向もあるわけで、どの方向も遠視の左眼よりは見やすいと考えることは可能です。

もう一つ「等価球面」という考え方があります。
乱視度数を2段階弱くした際には、近視度数を1段階増やす(遠視度数を1段階減らす)という調整をします。

そうしますと、左右眼の乱視を2段階減らして、遠視度数を調整することで、

右 S+0.50 C-0.25 AX90
左 S+0.75

となります。

右眼の乱視が一段階残っていますので、これを無くしてしまうとすると、理屈の上では遠視度数を減らすことになりますから、

右 S+0.50 よりもS+0.25 寄り
左 S+0.75

となります。

よって、右眼のほうが遠視の度数は弱くなりますので、裸眼では右眼のほうが見やすく感じられても不思議はないのです。

人間の眼は必ずしも理論通りには働きませんが、少なくとも「右眼の乱視が強いのに、裸眼で見やすいのはおかしい」という論が、どんな時も成り立つとは言えないということです。






  1. 2017/04/03(月) 23:56:38|
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距離による斜位の量の変化

「斜位」については、何度となく触れてきています。

ここで、それを一から説明すると、それだけで今日のネタは終わってしまいますので、

こちらや

こちらを

ご参照いただくとしまして、この斜位の量というのは、どんな距離でも一定かというと、たいていは距離によって異なります。

5mを見ているときの斜位、40cmを見ているときの斜位、2m50cmを見ているときの斜位、それぞれ多かれ少なかれ異なるのが一般的です。

斜位が大きければ大きいほど、両眼の視線を1点に合わせるための労力が必要になります。
ですから、遠見での斜位が少なく、近見での斜位が大きければ、近見での労力のほうが大きくなります。

通常多くみられる「外斜位」に関して申し上げれば、「遠見時の外斜位よりも、近見時の外斜位のほうが大きい」ことが一般的です。
なので、近見時、すなわち読書やパソコン作業での不具合を訴える人のほうが、自動車の運転中の不具合を訴える人より多いというのは、当然といえば当然です。

無論、近見時よりも遠見時のほうが外斜位が大きいというケースもありますし、遠見時は外斜位で近見時は内斜位になるとか、その逆とか、いろいろなパターンがあり得ます。

この、遠見・近見での斜位の変化のパターンによっては、遠近両用レンズでの対応が難しくなることがあります。
その辺の話を、折を見てしてみたいと思います。





  1. 2017/03/26(日) 23:54:08|
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ひとまず使ってみていただけますか

度数を決めるときには「これで大丈夫」という手ごたえがあったものの、いざ納品すると「何かおかしい」と言われることが稀にあります。

前のメガネと度数が大きく変わった場合、初めて眼鏡を掛ける場合、玉型の大きなフレームを選ばれた場合、その他さまざまな条件で、度数決定時とは感覚が違うことはあり得ます。

たとえば、過矯正の近視メガネをかけていたかたが、完全矯正値のメガネにパッと変えたら、「遠くがぼやける」と言われる可能性はあります。
時間を掛けてプリズム量を決定したかたが、いきなりパッとそのメガネを掛けたら、空間の感じかたが変であってもおかしくはありません。
主訴の解決のために「チャレンジ」すればするほど、そういうリスクは上がります。

慣れるか慣れないかは、その場での判断がつきにくいことはあります。
「どれくらいで慣れますか」と問われても、個人差がありますので、お答えはしにくいです。

もちろん、決定した度数そのものが不適当ということもあるでしょうが、再度チェックをした結果、度数そのものは間違っているとはいえない場合、どうするか。

私は、無責任に「慣れます」とは言いたくないので、その場で度数交換に応じたいタイプのため、即再作することもありますが、主訴の如何によっては、しばらく使っていただくようにお伝えすることがあります。

使っていただいたうえで、良い点・悪い点をお知らせいただいたほうが、解決の糸口がつかみやすいこともあります。
たとえば、下手に度数をいじると主訴の解決ができないため、「こういう時に、使ってください」という限定用法をご提案せざるを得ない場合もあるわけです。
「最初は変な感じがしましたが、今は全く問題ありません」というご報告をいただくこともあります。

「そのうち慣れます」と言っているのではありません。
「ひとまず、使ってみてください。お気づきの点があれば遠慮なくおっしゃってください」ということです。

決して、あとのフォローをしないという意味ではありませんので、その点は誤解なきようお願いいたします。






  1. 2017/03/18(土) 23:50:40|
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準中型免許

本日より、道路交通法が改正され、「普通」自動車運転免許と「中型」自動車運転免許との間に「準中型」自動車運転免許が新設されました。

細かい話は置いておいて、準中型免許を取得するための適性検査には、大型・中型・二種免許などと同じく「深視力検査」が含まれています。

18歳になって、車の免許を取ろう、というときに、「どうせ取るなら準中型を」ということで、何も知らずに合宿免許を申込み、現地の教習所で深視力検査に通らず帰される、というパターンも出てくるかもしれません。
(その場合、普通免許の教習に切り替えてもらえるのならよいのですが、その辺の対応は調べていないので不明です)

今回の改正で、これから普通免許を取得する人は、運転できる車の重量が、昨日までに普通免許を取得した人よりも小さくなります。
ですから、最初から準中型を狙う人というのも少なくない、結果として深視力検査を受ける人が微増する、という可能性はあるかもしれません。

いずれにしても、「これから運転免許を取る」というかたがメガネを作りに来られた時は、深視力も確認しておいたほうが良いように思います。






  1. 2017/03/12(日) 23:54:01|
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フレネル併用

複視を解消するために、片眼11プリズムB.O.ずつ(合計22プリズムB.O.)のメガネを調製することになりました。
(当店に来るまでに、当然ですが、眼科・脳外科の診察は受けられています。)

プリズム量が大きい場合、どこまでメガネレンズに組み込むか(組み込めるか)が懸案事項になります。
今回は、度数自体はほぼ平面ですが、耳側の厚みが出ます。
ウスカル枠にすれば厚みは減らせますが、レンズ面積は大きいほうがいいということで、一般的なフレームになりました。

多分、片眼10プリズムくらいまでなら、作ってもらえそうな感じはしましたが、8プリズムで注文し、不足分を3プリズムのフレネルで補うことにしました。

根拠は、複視の解消だけでなく、装用感までを考えたときに、合計18~20プリズムくらいでも大丈夫そうな感触があったからです。
合計16プリズムをベースにして、フレネルで調整するという方向性です。

フレネルはプリズム量が強くなるほど、透明感が落ちますが、片眼3プリズム程度なら、そこまで視力の低下を招きません。
(仮枠タイプのフレネルがあるので、それを試して、お客様の同意を得ています)

片眼8プリズムB.O.の厚み↓

1702082.jpg

そこにフレネルを貼り付けました。

1702081.jpg
(1枚のフレネルで両眼に貼り付けられる玉型サイズを選びました。費用が1枚分で済むので。)

これで納品したところ、複視はなく、歩行も問題ないけれど、何となく違和感があるとおっしゃいます。

いきなり別の世界に足を踏み入れたようなものですから無理もないのですが、試しに右眼(非斜視眼)のフレネルを剥がすと、「このほうが違和感がなく、プリズム量は減っても複視は現れない」とのことでした。

このあたりの判断は賛否あるかと思いますが、装用感を優先し、都合19プリズムにて、ひとまず納品となりました。

日によって複視の程度が異なったり、日数の経過によっても変化が起きる可能性はあり得ますから、引き続きのフォローは必要ですが、お役に立てることを願っています。


  1. 2017/02/08(水) 23:53:42|
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