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キベベワールド

「メガネの一心堂」の店長が、タメになること・ならないことをつづります

フレネルをどちらの眼に貼るか

今月はフレネルプリズム(以下フレネル)を貼らざるを得ない、というケースが続いています。
(眼科・脳外科受診済みです。)

フレネルを使う場合、プリズム量が増えることによる透明度の低下を避けるため、レンズのほうにできるだけプリズムを組み込んで、不足分をフレネルで補うという形を取ることが私は多いのですが、レンズのコバ厚の増加だったり、価格の兼ね合いだったりによっては、フレネルのみで対処することもあります。

いずれにしても、フレネルを両眼に貼るのか、片眼に貼るのか、迷うことがあります。
(レンズに組み込むときは、左右に振り分けることがほとんどです。)
いろいろな考えかたがあるようで、こうしなければいけないという絶対教義はないように思うのですが、私はお客様に装用感を伺いながら、最終的に片眼にのみ貼ることが多いです。

どちらの眼に貼るかで、必要なプリズム量が変わってくることもあり、そこは注意が必要ですが、斜視眼に貼ることがほとんどです。

ixy_20181015_002.jpg

理由としては、非斜視眼(固視眼)にフレネルを貼ると、フレネルの影響で視力が低下してしまうため、複視は改善されても、視力的な面での見えにくさを訴えられるからです。

お客様に短時間で判断を強いるのも酷なのですが、お客様との共同作業で決めていくのが、私の場合はルーティンかと思います。



  1. 2018/10/15(月) 23:54:20|
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深視力が厳しいかた

毎月安定して深視力に苦労されているかたの検査をさせていただいておりますが、来られたかたが全員、適切なメガネで深視力の向上を得られているかというと、そうではありません。

残念ながら、当店で作製するメガネでは「本来求められている深視力検査に必要な見えかた」は獲得できないであろう、というケースが、少なからずあります。

一番多いのは「内斜視」です。
斜視角がかなり大きく、斜視眼の抑制が生じており、単純なプリズム付加で両眼単一視の獲得が厳しいという状態です。
内斜視の場合は、斜視角が小さくても、両眼視が困難なことが多いです。

次に多いのが、「片眼の矯正視力低下」です。
片眼の視力が0.5に達しなければ、深視力検査の前の視力検査でアウトになりますが、多いのは片眼は1.0以上で他眼がギリギリ0.5~0.6くらいのかたです。
当店の屈折検査では、どうやってもそれ以上の矯正視力が得られないという状態です。

視力の良いほうの眼で見る癖がついてしまっていますので、片眼視しているような状態になってしまっています。
視力が良いほうの眼をわざとボカシて他眼と類似させたらどうかというと、棒がはっきり見えないということになるため、やっぱり反応は悪くなります。

上記のような状態ですと、理論的には深視力検査に合格することは困難です。
適切な両眼視状態ではないわけですから。

もし合格できたとすれば、それは「本来求められている立体感」で答えているのではなく、棒の太さ・濃さ・真ん中の棒と両隣の棒の間隔・棒の動く速度、などといった手掛かりを基に答えているということになるのです。





  1. 2018/10/02(火) 23:39:00|
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Horror fusion

斜視のかたで両眼視を得たい(たいていは深視力テストに通りたいというケースです)という場合に、当店ですと基本的にはプリズム付加で両眼視ができるかを見ていくことになります。

当店には大型弱視鏡はないので、マドックス法で眼位ずれの計測を行ないます。
このとき、たとえば、プリズム付加なしの時に固視より右側に線状光が見え、プリズムを付加していくことで固視点に線状光が近づいていくのは確認できるものの、途中でいきなり固視点の左側に線状光が移動してしまうことがあります。

つまり、固視点と線状光が(ほぼ)重なった、という返答が得られないということです。
理屈の上では、右眼の中心窩に映っている像と、左眼の中心窩に映っている像とを重ねることができない、ということになります。

こうした現象をHorror fusion(融像こわがり)と呼びます。

これが起きてしまうと、理論上、どうやっても精密な立体視は得られません。

トレーニングで、と言われても、同時視自体を回避されてしまうので、なかなか難しいというか、私自身はトレーニングで解決させたという実績がありません。

もし深視力獲得が目的だとしたら、「私では対応できないです」という返答になるかと思います。




  1. 2018/09/23(日) 23:40:11|
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不同視の場合によくあるパターン

たとえば、50歳くらいのかたと仮定して、「左右で度数差があり、普段は裸眼なのだけれど、合うメガネが作れるか」ということで、検査をしてみたら、完全矯正値が度数になったとします。(眼位については考えないものとします。)

右 S-1.50
左 S+1.25 C-0.75 AX90
40cmを見るための加入度1.75

このかたは裸眼の時、遠くは左眼、近くは右眼で見ている可能性が高いです。

そしてこのかたが完全矯正値を装用した場合、不同視を矯正したことによる違和感はないとして、何が問題になるかというと、遠くは見えるけれど近くが見にくいということです。

また、このかたに完全矯正値に加入度を付加した度数で40cmを見てもらうと、近くは見えるが遠くは見にくい、ということになります。

今までは裸眼で遠くも近くも見えていたものが、見えなくなるわけです。

一本のメガネで、遠くも近くも見たいとなると、遠近両用になりますが、このような不同視のかたは、単焦点なら大丈夫でも遠近両用になると違和感が大きくて、装用がしんどいということが起こり得ます。
(そもそも、単焦点ですらしんどいかたもいるでしょうが。)

そうしますと、近用鏡を作ったとして、遠くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
遠用鏡を作ったとして、近くを見るときはメガネを外さないといけなくなります。
(もしくは、遠用鏡ないし近用鏡にかけかえる必要があります)

今まで裸眼でよかった人にとって、これは非常に面倒くさいです。
結局、今のまま裸眼でいいということになりやすいわけです。

もう少し年齢を重ねると、裸眼でも近くが見にくくなりますから、その時は諦めて近用鏡を作る気になるかもしれません。
それまでは、メガネを掛ける(使いかたに慣れる)ためのモチベーションが上がりません。

また、モチベーションが上がるころには、左眼の遠視が加齢によって増えていたり、加入度が増えていたり、体の適応力が低下していたりして、不同視眼鏡そのものに慣れにくくなってしまう可能性もあります。

「裸眼では不自由だ」という明確なものがない限り、この手の不同視の人に早くからメガネをお勧めするのは、なかなか難しいという話でした。






  1. 2018/09/19(水) 23:40:31|
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免許試験場の深視力計

当店の深視力計は、2.5m離れたところに設置するタイプです。

dendou_201808292243000a4.jpg

神奈川県の運転免許試験場(二俣川)では、最初にこちらのような覗き込むタイプのもので行ない、合格できない場合に、上記のようなタイプで再試験を行ないます。

kowa_201808292243010f0.jpg

神奈川県の警察署の多くは、卓上におけるコンパクトサイズの除き込み式しか置いていないところが多いようです。

一般的には、覗き込み式のほうが難しく感じるかたが多いです。

ですので、当店に深視力のことでご相談に来られたかたには、警察署でダメなら免許試験場へ行ってみてくださいとお伝えしていました。


ですが、免許試験場が今年の春に新しい建物に引っ越しをしておりまして、場合によっては、引っ越しを契機に覗き込み式しか置かなくなっている可能性も否定できないわけです。
他の都道府県ではそういう例があったと聞き及んでおりましすので。

そのことを免許試験場に確認しないといけないと思いつつ失念しており、それなのにお客様には「免許試験場に行きましょう」と無責任なアドバイスを続けていたのでありました。

それで、先日、今日こそは確認しようと思っていたら、ちょうど新しい免許試験場で深視力検査を受けたというかたが来られまして、話を伺ってみましたら、覗き込むのと覗き込まないのと、両方置いてあったとのこと。

自身の怠慢を大いに反省しますとともに、どちらも置いてあってよかったと、安堵いたしました。
もし、覗き込みタイプしか置いていないということになったら、合格できなくて困るかたが相当数出てくるでしょうし、当店としても覗き込み式を購入せざるを得ないところでした。

深視力測定に関する、もう少し詳しい話は、こちらをご参照ください。





  1. 2018/08/29(水) 23:40:35|
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プリズムメガネはどこのメガネ店でも作れますか?

上記タイトルのような質問をいただくことがあります。

プリズムメガネは、メガネ店を名乗る以上、どこのお店でも本来はできるものです。

ですが、お店の方針により、大きくは下記の3つにわかれるのではないかと考えます。


①処方箋・自店測定を問わず、プリズムメガネは扱わない

プリズムメガネを扱う場合・・・
「偏心」という手法を用いない限り、プリズムレンズは特注レンズとなり、レンズの仕入れ価格が上がります。
加工のミスが出たり、一旦納品したはけれど見えかたに不具合があり作り直したり、といったリスクが上がる可能性があります。
知識や技術習得のため、それ相応の社員教育が必要になります。
お客様への説明、(自店測定の場合には)測定・決定に時間がかかります。
うまくいかない場合、お客様にご迷惑をかけることになり、それは自社のブランドイメージを損なうことにつながるかもしれません。

他にもあるでしょうが、いずれもさまざまなコストがかかります。
企業として利潤を追求するのは当然であり、そのために不要なコストはカットするのも当然です。

プリズムメガネを扱うために生じるコストと、プリズムメガネを扱わないことによる機会ロスとを比較したときに、前者のほうが不利益が大きいと判断するのであれば、あえてプリズムメガネを扱わない、「必要な人は他のお店をご利用ください」というスタンスは、、経営的側面からみればドライというか潔い選択だと思います。


②処方箋によるプリズムメガネは扱うが、自店測定でのプリズムメガネは扱わない

「プリズムメガネは眼科医の処方に基づいてつくるものである」という経営者の方針があったり、自店に測定におけるコストをかけたくない、あるいはプリズム量の測定・決定に不安がある、といったような場合は、このパターンになることもあると思います。



➂処方箋・自店測定を問わず、プリズムメガネを扱う

自店測定を行なう店であっても、突発的な複視であったり、何か気になることがあったりする場合は、まず医師の診察をお勧めすることになります。


どのパターンになるかは、お店によって異なります。
ですから、上記の質問に対しては「お店によって異なるので、直接お尋ねください」ということになります。


あと考えられるのが
④処方箋によるプリズムメガネは扱わない。自店測定のみ扱う
というパターン。

確固たる信念と自信があるお店の中には、このパターンを取っているところがあるかもしれません。


ちなみに当店は③になります。


●2018年8月28日補足●

眼鏡店がプリズムメガネを扱わないということに関しては、個々の方針があるかと思いますので、私がどうのこうの言うことではないと思っています。
ただ、本来はプリズムメガネが必要(もしくは医師の診察が好ましいと思われる)なのに、それを承知で(もしくは知らなくて)プリズムなしのメガネを販売するのは、好ましくないと考えます。

つまり、プリズムメガネを扱わないのであれば、「お客様にはプリズムメガネが効果を発揮するかもしれないのですが、当店では扱っておりませんので、○○眼科さんを紹介します」などといった、適切なアドバイスができるだけの知識は必要ではないかと考えております。


  1. 2018/08/25(土) 23:38:11|
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近見チャート

近見での視機能検査を行なう器具が当店には幾つかあるのですが、電源を必要とするものが2種類あります。

EOS_2018_08_22_145.jpg

EOS_2018_08_22_141.jpg

この中で、近見時の調節(ピント合わせ)状態をチェックする視表があります。

EOS_2018_08_22_142.jpg

私は近見加入度を決める際の目安にも利用しているのですが、たとえば眼前40cmの距離にこれをセットしたときに、赤の背景に書かれたランドルト環のほうが緑の背景に書かれたランドルト環よりもクッキリ見えたら加入度を弱くし、逆であれば加入度を強くする、といった具合です。

この視標は、「遠用度数で近見をしても一応見えるのだけれど、だんだん疲れてくる」という主訴に基づき、遠近両用累進レンズを初めてご提案したようなかたの装用練習にも使えます。

遠近両用累進レンズは、下方視をしていくことで加入度が増え、近見がしやすい(近くのものが見える)という仕組みですが、上記のようなかたは、遠用度数でも近見が可能なわけですから、レンズのどこを通してみるのが良いのかがイマイチわかりにくいのです。
加入度が弱かろうが強かろうが、近見ができてしまうので、累進レンズの実感が湧きにくいのです。

このときに、この視標を使います。

普通に顎を引いて視標を見たときに、緑の背景のランドルト環のほうがクッキリ見えるようだったら、顎を上げ下方視をするように視線を変化させていきます。
そうすると、赤・緑どちらの背景のランドルト環も同じクッキリさになってきます。
その時の角度・視線の使いかたをしたときに、累進レンズの効果が発揮されるわけです。

これがマスターできないと、結局限りなく遠用度数に近いところで近見をしてしまい、せっかく累進レンズを作ったのに効果を感じられないという残念なことになりかねませんので、そこを体感していただくためには有用かと思います。








  1. 2018/08/22(水) 23:50:03|
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指示の出しかた

眼鏡度数を決めるために行なう検査は、その大半を「自覚的検査」に委ねています。
これは「検査される人(以下、被検者)の感じかたに左右される」検査です。
言い換えると、「被検者の返答1つで、どうにでも検査結果を左右できる」検査ということです。

たとえば、心電図検査中に「ちょっとここらで心房細動を入れてみよう」とか、血液検査の際に「中性脂肪を20くらい下げときましょか」といった感じで、被検者が自分の意志でデータを操作することは、常識的には不可能です。

一方、屈折異常測定の検査は、オートレフやレチノスコープなどの「他覚的検査」の結果がどうであっても、「自覚的検査」において「見えへん」と言われたら、そのお答えを尊重するしかありません。
(そこを悪用すると、本当は見えているのに見えていないと嘘をつく「詐盲」が成り立つことになりますが、OKNドラムを用いるなどして、見えていることを立証することは可能です。)

まぁ、それは極端な例としても、屈折検査や眼位検査は、被検者にとって返答に迷ってしまうような場合も少なくありません。
「どちらが見やすいか」と問われても、どっちとも言えるような場合もあるかと思います。

したがって、検査者はできるかぎり適切な返答が得られるように、指示の出しかたに留意しないといけないわけです。
また、指示の出しかたは検者なりに適切だと思っていても、返ってくる返答に信頼がおけない場合は、別の検査をやってみるのもよいと思います。

以前、乱視検査に用いられるクロスシリンダーテストを行なったときのこと。
提示している視標のぼやけかた・ゆがみかたが、

・1枚目のレンズのほうがマシ
・2枚目のレンズのほうがマシ
・どちらのレンズのぼやけかた・ゆがみかたもほぼ同じ

の、どれに当てはまるかを答えていただく過程において、何回やっても「2枚目」と答えるかたがいました。

「これは1枚目と答えるはず」の状況でも「2枚目」とお答えになるので、本当に2枚目がマシだと思って答えているのか、そのあたりを遠回しにお尋ねすると「だって私、2枚目が好きなんだもん」と言われました。

このときは「1枚目・2枚目」という表現を別の表現に変えることで何とかなりましたが、被検者に応じて臨機応変に対応していくことが信頼度の高い自覚的検査データを得るために検者に求められる技量かと思います。



  1. 2018/08/06(月) 23:30:38|
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今日の講義

神奈川県内の市立小学校へ、支援教育研修会の講師としてお邪魔しました。

ixy_20180727_018.jpg

子どもたちが夏休みだからといって、先生がたも夏休みというわけではありません。
いろいろな研修があるのです。

今日は教員数30名ほどの小学校でした。

お話しする内容は、いつもとほとんど同じです。
マイナーチェンジはしますが、自分が伝えたいと思うことは盛り込んでいるので、あまり変えようがないのです。

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2時間半、お付き合いをいただきました。

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こちらの小学校は、ブランコが撤去されているとのこと。
遊具の中でも、前庭器官に刺激を与えることのできるブランコは、視覚機能の発達に、とても重要だと思うのですけれどね。


私がお邪魔する小学校は、お若い先生がたが多いです。
全国的にそうなのかはわかりませんが、私と同世代の、いわゆるバブルのころに就活をしていた世代の採用は少なかったそうで。


初めて聞くような話ばかりで、戸惑われたかもしれませんが、何か一つでもご参考にしていただけることがあれば幸甚です。


  1. 2018/07/27(金) 23:50:31|
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度数から視力の換算

前に少し詳しく書いた気がしますが。

視力から度数、ないし、度数から視力を換算するのは難しいです。

たとえば、裸眼視力が0.5だとして、度数がどれくらいになるかと問われたとして、近視であれば、-1.00D近辺かなという予測は立ちますが、遠視の可能性もありますし、乱視が加わってくることもあります。
結局のところ、眼疾患がないと仮定すれば、弱度の屈折異常があるのでは、としか言えないかと。

また、-3Dの近視だったら、どれくらいの裸眼視力になるかと問われても、それを正確に予見するのは難しいです。
眼鏡学校では、近視であれば-1.75Dくらいで0.1になると教わりましたので、0.1以下であろうとはいえると思いますが。

眼鏡学校のテキストに、「この度数ならこれくらいの視力」という目安の表が載っていますが、遠視系の場合には年齢でも変わってきますし、そもそも0.1以下になる範囲が広いですので、本当に参考程度にしかなりません。

先日、「近視の度数が○○なんですけれど、裸眼視力はいくつになりますか」という問い合わせがありまして、度数から考えて「0.1以下、0.05近辺じゃないでしょうか」とお答えしましたが、そういうアバウトな返答しかできないことをご了承ください。


2018年7月23日 追記

過去の関連記事です。
視力0.05は度数で幾つになるのか



  1. 2018/07/22(日) 23:50:32|
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21項目検査 #20 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#20(実性相対性調節力)です。

視表の距離を一定にした状態で(眼前40cm)、マイナスレンズを付加していき、視標がボケるか二つに分かれて見えるかしたときの度数を記録します。
(測定を開始したときの度数から、マイナスレンズを何段階付加できたかを記録することになります。)


視表は、参考書によって多少の違いはあるようですが、私は近見用の0.7~0.8の文字視表を使用しています。

1103231.jpg



マイナスレンズを付加する

ピント合わせをする

両眼は輻湊する(調節性輻湊の発生)

視表のある距離と、両眼の視線の交差する位置とが異なってしまう

そうすると、視標がボケてしまうので、両眼を開散することで視表の距離に視線を合わせる

ハッキリ見える

マイナスレンズを付加する

ピント合わせをする



このサイクルの繰り返しをしていくことになります。

このメカニズムは、なかなかわかりにくい部分もあるかと思いますが、調節力が弱かったり、近見での開散力(虚性相対性輻湊力=#17)が弱かったりすると、#20の値は低くなるのが一般的です。


  1. 2018/07/18(水) 23:50:22|
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単眼複視

「複視」というのは、「一つのものが二つに見えてしまう」現象ですが、「単眼複視」かなのか「両眼複視」なのかによって、対処法が変わってきます。

単眼複視と両眼複視についてのウンチクは、こちらもご参照ください。
単眼複視と両眼複視

先日は、単眼複視で困っているかたから電話相談を受けました。
白内障術後に単眼複視が生じ始めたとのこと。

基本は屈折異常の矯正ですが、完全矯正しても解決しないそうです。
考えられるのは波面収差ですが(詳細は割愛します)、ドクターの話だと、波面収差はほとんどない、らしく。

そう言われてしまうと、手詰まり感がいっぱいです。
カラーレンズ、その他、ちょっと細工を施したレンズがいくつか思い浮かびますが、どうなのかなぁ、という感じです。

そういう頼りない返答しかできませんでした。
実際に、ご来店いただいて試してみないと、検証はできません。

このように、単眼複視の場合、完全矯正でも解消しない場合には、メガネでの解決は、かなり難しくなるのが一般的かと思います。


ここ数日、露骨に文中から当店サイトにリンクを掛けていますが、SSL化したURL
https://www.megane-isshindo.jp
を何とかしたくて、あれこれ試行錯誤中のため、ご容赦ください。
(と言いながら、さらに露骨にリンク掛けてる・・・)





  1. 2018/06/27(水) 23:46:02|
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21項目検査 #19 (リバイバル)

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多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#19(調節近点・調節力の測定)です。

#19Aが調節近点
#19Bが調節力
と一応分けられています。

調節近点は、眼前にセットした視標を

IMG_5629.jpg

徐々に近づけていくことで測定します。

IMG_5630.jpg


調節力は、視標の位置を眼前33cmに固定し、視標がボケて見えなくなるまでマイナスレンズを1段階ずつ増やしていく(遠視の場合は凸レンズを減らしていくことになります)ことで測定します。



厳密には、どちとらも片眼・両眼ともに行なうべしとされてはおります。

細かく言えば、どちらの測定にもデメリットというか、測定精度を低下させる要因が介在するのですが、年齢に比して明らかに調節近点が遠かったり、調節力が弱かったりということがないかどうかということは、確認可能です。



  1. 2018/06/20(水) 23:50:13|
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21項目検査 #18 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
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7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今回の21項目検査は、#18です。

#18Aが、近見時の上下斜位の測定
#18Bが、近見時での上下寄せ運動能力の測定です。

#12A、#12Bの近見バージョンになりますので、検査距離と視表が異なる以外、基本的な手順は一緒です。
測定時の度数は#13と同じです。

私は、#13で使用している

IMG_5228.jpg

こういう視表を使っています。

  1. 2018/06/06(水) 23:55:16|
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白内障手術の予後は?

・白内障があると診断されていて、矯正視力が悪い。
・でも手術はしたくない。
・メガネで何とかしたい。

これまで、何度か取り上げてきましたが、メガネの度数は強くすればするほど見えるようになるものではありません。
いろいろ度数を変えてみても、満足のいく見えかたにならないのであれば、それはメガネレンズで対応できる限界です。
私ではお役に立てないということです。

そうなると「手術をすれば、必ず見えるようになるのですか?」という話になります。
ご本人は手術をしたくないわけで、そういう流れになるのはわかります。

ただ、それは私がお答えできる類のご質問ではありません。

仮に、白内障になる前、1.0の視力(裸眼でも矯正でもよいのですが)があり、白内障以外の眼疾患がないのであれば、少なくとも現状よりは改善するのではないかとは思いますが、私が言うべきことではありません。

術後のご満足度は人それぞれです。
視力は向上しても、何か不満が残るかたもいますし、もっと早くやればよかったとおっしゃるかたもいます。

手術である以上、リスクもあるわけですし、その点はドクターから十分な説明かあるかと思います。

メガネで何ともならない以上は、ドクターとよくお話ししてくださいとしか申し上げられないのが実情です。





  1. 2018/05/26(土) 23:55:49|
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21項目検査 #16・17 (リバイバル)

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7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#16と#17です。

#16は、近見での実性相対性輻湊力
#17は、近見での虚性相対性輻湊力
となります。

実性というのは内寄せ(輻湊)、虚性というのは外寄せ(開散)のことだとご理解ください。

#16は#9#10同様にペースアウトプリズムを付加、#17は#11同様にベースインプリズムを付加します。
プリズムを付加していく過程で、視標が「ボケた・2つに分離した・1つに戻った」それぞれのポイントごとに、該当するプリズム量を記録していきます。

便宜上、ボケたときのプリズム量を#16A・#17A、分離・回復したときのプリズム量を#16B・#17B
と表記する場合もあります。


近見での検査なので視標はこんな感じのものを用い、

IMG_5520.jpg

調節力に問題がなければ(老視でなければ)#7の値を装用して行なうのが一般的です。
老視になっているのなら、どのような度数を装用して検査をしたのかの明記が必要です。


さて、#9・#10・#11では、遠見での輻湊力ないし開散力という単純な書き方をしましたが、ここでは「相対性」という言葉が付いています。

遠見での検査は、建前上は「調節力がゼロ」の状態です。
(厳密には、わずかばかりの調節力は働いているわけですが)

一方、近見での検査では、近見視表を明視するために調節を働かせる必要が出てきます。
#16・#17では、眼前40㎝に視表をセットした状態で測定を行ないます。

したがって、測定中、眼前40cmの視表を見るために必要な調節力を常に働かせた状態での輻湊力・開散力を調べます。
このあたりを考慮して「相対性」という言葉を使っているということになります。


「融像幅の測定」と言われたら、遠見が#9・#10・#11、近見が#16・#17のことを指しているとご理解ください。

  1. 2018/05/09(水) 23:53:52|
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21項目検査 #15 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

*************************************************************************

今週の21項目検査は、#15です。

これは、
#15A(#14Aの値を通しての近見斜位)

#15B(#14Bの値を通しての近見斜位)
とにわけられます。

#14については、こちらを。

#15Aは、
半暗室(視標が一応読める程度の暗さ)で、
クロスシリンダーを装用したまま(#14の測定環境のまま)、
十字視標(#14で使うもの)を用いて
IMG_5447.jpg
フォングレーフェ(プリズム分離)法にて測定します。


#15Bは、
部屋を明るくして、
クロスシリンダーを外して、
仮名視標(#13で使うもの)を用いて、
IMG_5228.jpg
フォングレーフェ(プリズム分離)法にて測定します。


つまり、#15AとBとでは、測定時の度数そのものは、場合によっては同じかもしれませんが、クロスシリンダーの有無・視標の差異によって、結果に差が出ることがあるわけです。

  1. 2018/04/30(月) 23:50:51|
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21項目検査 #14 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#14(調節ラグの測定)です。

#14Aが単眼での調節ラグ。
#14Bが両眼での調節ラグ。

#5の自覚的検査バージョンとなります。

この検査には、クロスシリンダーと、こういう視標が必要です。

IMG_5447.jpg

なお、#14Bの検査手順は、老視眼の近用加入度の目安を測定する際にも使われています。
別の言い方をすると、調節ラグの検査というのは、老視眼になっていないかたを対象にしたものになります。


では、調節ラグとは何かということになるわけです。

調節ラグとは、そっけなく言ってしまえば「調節刺激と調節反応の差」ということになりますが、そんな説明ではわかりませんよね。


人間が近くのものを見ているとき、眼は「調節」という作業をします。
理論上、この調節する力というのは、眼から見ているものまでの距離(m)の逆数であらわされます。

もし40㎝の距離のものを見ているのなら、1÷0.4で2.5の力(D:ディオプターという単位で表します)が必要になります。
ところが、たいていの場合、人間の眼は「そんなバカ正直に働く必要はねぇよ」ということで、本来なら2.5の力を働かせる必要があるにもかかわらず(調節刺激)、たとえば2.0くらいの力しか出さずに(調節反応)ものを見ようとします。
この場合であれば、2.5の刺激に対して2.0しか反応しなかったので、0.5がラグ(lag)ということになります。

逆に、2.5の刺激に対して2.75の反応をしてしまうようなケースもあり、この場合は0.25のリード(lead)ということになります。

視機能に問題がなければ、多少のラグが生じるのが普通です。
また、片眼ずつでのラグ(#14A)よりも、両眼でのラグ(#14B)のほうが、1段階程度小さくなるのが一般的です。


ついでながら、さらにわかりにくい話をします。

単眼のラグは調節力に由来するもの、両眼でのラグは調節と輻湊の相互関係に由来するものであるため、両者を比較することで、その人の視機能が調節力に問題があるのか、調節と輻湊の相互関係にあるのかの類推がしやすくなるという考え方があります。

すなわち、
「単眼では標準範囲のラグ、両眼ではリード(もしくはリードに近い)」という場合と「単眼でも両眼でもリード(もしくはリードに近い)」という場合とでは、視機能分析をする上での判断が異なってくるということです。
前者は「輻湊不全」、後者は「調節過剰」の可能性が考えられるということになります。

しかしながら、調節ラグの検査は#7(#7A)の精度(両眼の調節バランスや乱視度数)に大きな影響を受けますし、検査そのものの精度にも不安定な部分があるのは事実です。

ですから、調節ラグの結果はあくまでも1つの目安としてとらえ、他の視機能データも踏まえたうえで総合的な判断をすることが、視機能分析には求められるのであります。



ところで、これまで毎週21項目検査の紹介をしてきているわけですが、「偉そうな講釈ばかりで、検査手順を説明してねぇじゃねえか」というご批判もあろうかと思います。

申し訳ないのですが、折に触れ申し上げているとおり、私はそこまで気前よくありませんし、検査手順は、参考書がいろいろあるわけですからそちらをご参照いただければ幸いです。

よろしくお願い申し上げます。

  1. 2018/04/21(土) 23:50:53|
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両眼視を得るための条件

「両眼視ができないので、プリズムメガネを作りたいのですが」というお問い合わせを受けることがあります。

プリズムメガネを掛ければ、(必ず)両眼視ができるようになるのでしょうか?

「両眼視」といった場合、広義においては「複視」も両眼視であると言えると思います。
右眼と左眼の像を同時に認識していることに変わりないからです。
ですので、ここでいう両眼視とは「両眼単一視」であるとご理解ください。

両眼単一視が得られるためには、同時視そして融像が必要になります。

融像とは、医学書院の『英和・和英眼科辞典』によれば、「左右の網膜に映った像をひとつにまとめて単一視する働き」とされています。

融像の条件として、代表的なものを二つ挙げます。

・左右眼それぞれで見た(ほぼ)同じ像が「網膜対応点上」、もしくは、「ほぼ網膜対応点上」にあること。

・左右の網膜像が、大きさ・色・形・コントラストなどの面で類似していること。

前者については今回は割愛いたしまして、後者に関して申し上げることにします。

後者の条件を成立させない要因はいろいろありますが、左右眼の度数差が大きい(不同視)であったり、左右眼の矯正視力差が大きい、などといったことがポピュラーです。

特に、左右の矯正視力差が大きい、たとえば右眼が1.2 左眼が0..2といった場合、左右眼で見ているもののハッキリさが異なりますので、左右眼で異なるものを見ていると脳が認識してしまえば、融像はできなくなります。

すなわち、この状態においては、いかなるプリズムを付加したところで、効果は得られないということです。


「両眼単一視ができない」という場合、まずできない理由を探ることが必要です。
そして、その理由によっては、プリズムメガネは意味をなさないことがあるという点を、ひとつご理解いただければと思います。






  1. 2018/04/16(月) 23:50:57|
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21項目検査 #13 (リバイバル)

ブログを9年続けていると、古い記事が埋没してしまいます。
多少はタメになりそうな記事も書いているので、埋もれさせたままも、もったいないかなと思います。

7年前に投稿した21項目検査についての記事を、順次再アップしていくことにします。
(必要に応じて加筆修正します)

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今週の21項目検査は、#13です。

#13Aは裸眼、もしくは現在装用眼鏡度数での近見斜位、
#13Bは#7(#7A)を通しての近見斜位
となります。

重要視されるのは、#13Bです。

なお、#8でも触れましたが、21項目検査における斜位は、すべて融像除去斜位です。


#13以降の検査はすべて近見ですから、フォロプターの前方に棒をつけて、通常は眼前40cmの距離に視表をセットします。

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#13の検査は、#8と同じ方法で行なうのがよいと思います。
つまり、#8をマドックスでやったのなら#13もマドックス、#8がフォングレーフェ(プリズム分離)なら#13もフォングレーフェで、ということです。

マドックスの派生で、Modified Thorington法(モディファイド ソーリントン)というのもありまして、これは眼科で使われる正切尺法の近方バージョンになりますが、

1102091.jpg

遠見で正切尺法をやらないのであれば、測定方法が異なるのが問題点かと思います。

近見での検査は調節力が働くため、調節力の安定を図るためにも、文字視表を用いたフォングレーフェ法を推薦する参考書もあります。
(ということは、遠見もフォングレーフェで測定したほうが統一性が出るわけです)


また、#7(#7A)の度数から+1.00Dないし-1.00Dを付加した状態で#13Bを測定し、それと本来の#13Bの値とでもって、Gradient Stimulaus AC/A比を求めることも可能です。


なお、老視のある場合、特にフォングレーフェ法においては、視標の明視が困難のため、プラスレンズを付加していき、視標が読める状態になった度数を通して測定することになりますので、どんな度数を通して測定したのかを付記しておく必要があります。
※これは、眼鏡処方のための加入度とは異なります。

  1. 2018/04/11(水) 23:50:56|
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